2017-09-01 Fri
いま自分が住んでいる地域で芝居の公演を主催するには二つの方法があります。
一つはA「都内で観た面白い芝居を飯能に招いて公演する」ことです。
その目的は「自分が面白いと思った芝居を地元に人にも観て貰って喜んでもらいたい」ということでもいいでしょう。
あるいは「自分はこんなに面白い芝居をこの地域に呼んだんダ!」という自己アピールが目的だったとしても、それでも良いと思います。
このAには、「主催者としては既に観ているのだから内容面での心配は無い」のですが、興行面でのリスクは自分で負うことになります。
もう一つは、B「地元を題材にした内容の台本を新たに創り、地元の人が出演する芝居を公演する」ことです。
その目的は「この地域ならではの面白い芝居を生み出したい!」とか「その芝居を地域の全ての人に観てもらいたい!」ということです。
これには「お客に喜んで貰える内容の芝居が果たして創れるだろうか?」という不安が伴います。
たとえ満足する内容の芝居に出来上がったとしても、興行面でのリスクはやってみなければ分からないのはAと同じです。
今回、8/26・27に飯能市民会館で『飯能アルプス物語Pentagram』公演を主催した目的はBでした。
内容的には満足でしたが興行的には残念ながら赤字。しかし幸いにもその金額は「覚悟していた範囲」で済みました。
実は、今年の2月に観て感動した芝居を、Aの目的で来年飯能市民会館に呼びたいということも考えていました。
その芝居は山間部の民宿を舞台に「若年性アルツハイマーをテーマにした内容」なので、その場所を吾野か名栗に置き換えても可能だと思ったからです。
その劇団主宰者には今回の芝居を観に飯能市民会館にまで来て貰っていました。
しかし、今回の興行結果(販売戦略・観客の反応・飯能での演劇事情etc)をみて、いまはそのプランの再考を余儀なくされています。
(792字)
『飯能アルプス物語Pentagram』第5話「お散歩マーケットにて」の舞台
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2017-09-03 Sun
私自身は役者ではないし、役者願望もないので「自分が芝居に出たい!」という願望は全くありません。
但し、先日(9/1)述べた、「芝居公演を主催する」二つの目的の一つである「都内で観た面白い芝居を飯能に招いて公演したい」という願望だけは、有望若手応援寄席を始める(2000年)前から抱いていました。
なぜなら、私は高校生の時に、ある有名な劇団の芝居を都内の大劇場で観て興奮し、芝居の世界に入りたいと思い、受験した大学は「演劇系」だったのです。
その後、一浪して入学できた明治大学文学部演劇学専攻は、「大学自体の無意味さに嫌気がさして」2年生の時に中退。その後「芝居を観る」「芝居の裏方に関わる」ことはしてきましたが、学生時代から今日まで芝居の舞台に立ったことは幼稚園と小学校の学芸会以外にはありませんでした。
今回の『飯能アルプス物語Pentagram』(全5話のオムニバス・コメディ)という芝居を制作することに至った元々の経緯は、知人の女優が出演するからという理由だけで、都内の小劇場で『FOREST』という4話のオムニバス・コメディを観たことから始まったのです。
その時、客席で「この森を舞台にした芝居なら設定を飯能の森(FOREST)の中にすれば飯能で公演してもお客に喜ばれる」と思ったからです。
その時は、その芝居の出演者をそっくり飯能に呼ぶのではなく、「作者の了解を得て、飯能で、地元のアマ劇団の役者を集めて上演したい!」と思ったのです。
その『FOREST』の作者に、その芝居に出演していた知人の役者を介して「飯能公演のお願い」で会うことになったのですが、その作者というのが、今回の『飯能アルプス物語Pentagram』で作演出を担当することになる畑雅文さんなのです。
その時、私が畑さんに「飯能での公演は地元で役者を集めることからやらなければならないので早くても1年先」ということを伝えると、畑さんのほうから「それだけ期間が有るなら新作にするというのはどうですか?」という案が出されたのです。
その申し出に対して、私は
「もし、その新作が面白い作品でなかった場合は、『FOREST』公演に切り替えますから」と、今から思えば失礼なことを言い渡していました。
劇作家からの、思いもよらない「新作」の申し出によって、地元で芝居公演をする二つの目的のもう一つである「地元を題材にした内容の台本を新たに創り、地元の人が出演する芝居を公演する」という目的が叶えられる道が開けたのです。
私には「飯能を舞台にした芝居は飯能で生まれ育った人にしか書けない」という思い込みは全くありません。
むしろ「飯能のことをよく知らない人のほうが飯能のことを面白い芝居にできるかもしれない」とは思っていました。
だからこそ、畑雅文さんに「飯能を舞台にした5話のオムニバス・コメディの創作台本」を依頼したわけです。
私から出した注文は、「タイトルは『飯能アルプス物語』にしたい!」
「5話のオムニバス・コメディ」「各話の登場人物が微妙な関係で繋がっている群像劇にして欲しい!」ということだけでした。
彼は、自分なりに飯能のことを勉強して書こうと思っていたので
「南高麗のお散歩マーケットだけは取り上げて欲しい!」というリクエストも出しましたが、芝居にする場所を私から指定したのはそこだけだったのです。
(1353字)
畑雅文さんと私たち夫婦が初めて顔合わせをした飯能市民会館内の休憩室
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2017-09-04 Mon
地元を舞台にした創作台本は誰に依頼すればいいのでしょうか?
地域を舞台にした芝居は、観た人から必ずと言っていいほど下記のようなことを言われます。
「もっと地域のことを取り上げて欲しかった!」と。
でも「地域のことを取り上げた」としても、
「もっと歴史的な背景を勉強してから書いて欲しかった!」と言われてしまいます。
どの地域にもマイナス面も有れば、プラス面も有ります。
明るい展望もあれば、暗い見通しもあります。
偉人もいれば、嫌われている人もいます。
誇れる名所もあれば、恥ずかしい場所もあります。
その地域のプラス面や明るい見通し、偉人、誇れる名所だけを取り上げて芝居に仕立て上げても、内容の薄っぺらい、観ていて聞いていて恥ずかしくなるような、単なる地域PR芝居になってしまいます。
かといって、逆に、地域のマイナス面や暗い展望、嫌われている人、恥ずかしい場所を取り上げたら、たちまち「なんでことさら地域の悪いところをわざわざ芝居になんかするんだ!」と非難されてしまいます。
だから、どの地域で公演される芝居も、その地域に住んでいる人が創る作品はどうしても「悪い人は他所から来た人」「地域で生まれ育った人に悪い人はいない」という内容になってしまいます。
地域の人が、その地域の恥部や暗い歴史、怠慢な行政、実在している傲慢な街の顔役などを描くと、古くからその地域にいる人たちから批判され、非難されてしまいます。
だから、やがてはそのようなことを体験した人、見聞した人は、あまり地域のことを題材にした芝居を創らなくなってしまいます。
私が、「飯能を舞台にした芝居を制作して飯能で公演したい!」と思った時に、その芝居の台本を誰に依頼しようかと考え悩みました。
私自身が台本を書ければいいのですが、残念ながら私にはその力量がありません。
たとえ私に台本が書けたとしても「作・小久保達」では、肝心のチケットはあまり売れないだろうということは予測できます。
だからこそ、当初は「飯能でも公演できる芝居」「飯能で公演すると喜ばれる芝居」を求めて、都内の小劇場巡りをしてきたのです。
その結果、「これだ!」「この芝居だ!」と最初に思えたのが、昨年3月に観た『FOREST』と今年2月に観た、TEAM6gの『Melody』だったのです。
(955字)
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