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◆「足下で起業」相談所・01◆きょうの相談者・入間市の定年退職者Aさん                        「オリジナルの机を造る」ビジネスを目指しているのですが・・・・・
 この〈「足下で起業」相談所〉というCATEGORIES(カテゴリー)では、飯能や日高、入間、青梅などで起業したいという人の相談に乗ってきたことを書いていきます。そして、その数々の事例を通して「起業して成功する人と失敗する人の違い」や「その分岐点となるポイント」なども書いていきます。実は、これが21年間続けている私の本業なのです。

 このカテゴリーのタイトルを「足下で起業」としたのは、「自分の足下で起業する」というのが重要な成功要因の一つだからです。何が「自分の足下」なのでしょうか? それは下記の4つなのです。
   ?自分がいま働いている分野で起業する
   ?自分が長年続けて経験を積み重ねてきた仕事で起業する
   ?自分が「好き」で「得意とする」ことで起業する
   ?自分がいま住んでいる(生まれ育った)場所で起業する

 逆に言えば、失敗例の多くが「自分の足下ではない分野」で起業したことに起因しているということなのです。「あのビジネスは儲かりそうだ!」「これからはこういう分野が有望だ!」と思っても、そのビジネスが「自分の足下ではない」人が起業しても殆どは失敗してしまうのです。

 この〈「足下で起業」相談所〉の第01回で書きたいことは、今日(1/25)拙宅の隣の中央公民館で会って相談に乗った入間市のAさんのことです。もちろん、このBlogに書くことはAさん本人の了解を得ています。

 その入間市のAさんとは今日が初対面です。二日前(1/23)全く面識の無いAさんからのメールが入ったのです。なぜ、Aさんは見ず知らずの私に相談メールを送信してきたのでしょうか? 下記はそのメールの一部です。

   小久保達様
  はじめまして入間市のAと申します。(中略) 「 飯能 創業 」で検索したところ、小久保様のホームページを見つけました。沢山発信されていてそのエネルギーに驚きました。(中略)メールをした次第です。

 
 私も試しに「飯能 創業」でインターネット検索をしてみたら上位から3番目に「小久保達.com」が表示されました。私は「岐阜大学・起業準備講座web版」というサイトも開設しているので、そこから未知の人からの相談メールが来ることが多いのです。そのサイトで「事前自己チェック」に進むと、最後は私のところを「相談メール」を送信できるようになっているからです。

 私は昨年早期に定年退職しました。森林経済を元気にして、CO2を削減したいということを以前から考えてまして、森林の現場を知りたくて(中略)・・・。色々検討したのち早速、昨夏から西川材を使った商品の企画とデザインを始め、事業計画や試作・特許出願など現在しております。

 メールをここまで読んで、私は「Aさんに会ってもいいな」と思いました。なぜなら、Aさんは「起業に成功するための関門」の第一段階をクリアーしているからです。

 私は各地の商工会議所が主催している創業塾が全国でスタートした7年前から講師を担当してきています。その経験から言える「創業の実情」の一つは「起業したいという人の中で実際に起業する人は極めて少ない」(100人中2〜3人)ということです。

 では、「始めたい」と思っているのに「始める」ことのできる人が少ないのはなぜでしょうか? その理由は簡単なことです。下記の5つしかありません。
   ?「起業したい」と言っていながらビジネス分野を定められない
   ?分野を定めてもそこでの具体的なプランを描けない
   ?プランを言えても事業計画書を作成できない
   ?事業計画書を作成しても最低限の資金を調達できない
   ?資金があっても「成功する自信が無いから」と始めない

 このAさんは、???をクリアーしていました。私がAさんに「すぐに会わなければ」と思ったのは、「始めた人の半分は1年も続かない」「5年もすれば1割も生き残っていない」ということも意外に知られていない「創業の実態」だからなのです。

 ところがAさんのメールの続きには

 事業計画については飯能市で創業を前提に飯能市の創業支援セミナーに参加させてもらいました。(中略)本題ですが、創業の場所について飯能市にお詳しい小久保様にお会いしてご相談する機会を頂ければ幸いです。
実は幾つか歩き回った感じでは○○にある□□をお借りできないかと思っています。以上、唐突で勝手なメールで恐縮ですが宜しくご検討お願い申し上げます。


と書かれていました。ここまで読んで、私は「できるだけ早くAさんに会わなければ」と思ったのです。

 なぜなら、この文章の中に「Aさんは始められる人だが、続けられない人かもしれない」という若干の失敗要因が感じられたからなのです。

 せっかく「始める」ことができたのに「続ける」ことができない人が多いのはなぜでしょうか?
 
 その理由は簡単なことです。それは下記の5つに集約されます。
    ?お客を獲得することができない
    ?お客を獲得しても充分な売り上げを確保できない
    ?売り上げがあっても期待しただけの利益が出ない
    ?苦しくなると、他の「儲かりそうなビジネス」に手を出す
    ?最後は「起業したこと自体を後悔」して自分から投げ出す
 (なぜそうなってしまうのかという原因は別の機会02か03で説明します)

 Aさんが内包しているかもしれない失敗要因とは「?と?がゼロのときから工夫すれば使わなくても済む不要な出費をしようとしている」ことなのです。

 ビジネスの原点は「自分のお客を獲得する」ことです。そのお客の求めているものを提供して代金を頂くことです。昔は、そのために開業する前から「商品の製造や仕入れ」「製造や販売の拠点」を確保するために多額の資金を必要としていました。

 しかし、インターネットの時代になって、殆どのビジネスでそれらの「開業準備資金」が不要になったのです。?の「お客を獲得する」ために、「ビジネスの内容を理解してもらう」「見込み客を作る」ところまでは一円もかからなくなったのです。HPやBlogを開設して充実させることは自宅でできることだからです。「見栄」や「甘え」から場所を別途に確保するのは無駄な経費なのです。

 私がAさんに早急に会おうと思ったのは、Aさんが始めようとしているビジネスがHPやBlogを開設し運営を工夫するだけで?が可能なビジネスなのかどうか、を確認したかったからなのです。

 今日(1/25)は、中央公民館のロビーで14:00〜17:00までじっくり相談に応じることができました。結論は、Blogで先行できるビジネス分野であることが私には確信できました。むしろ、そうして始めたほうが優位に「始められる」そして「続けられる」ことをAさんに理解してもらいました。

 きょうの相談では、Aさんがこれからやるべき「最優先の課題」を下記の4つに絞り込むことができました。それを本当に実行するかどうかはAさん次第です。

 ?始めようとするビジネス分野でとにかくBlogを立ち上げること
 ?注目されるBlogになるために「Aさんの最大の特徴」を際だたせること
 ?Blogの内容だけで、自分を「専門家」と分からせるようにすること
 ?アクセス増のためには「著書を出版する」つもりで書き込みを深めること

 Aさんが始めようとする分野は「木工」の分野です。その分野で起業しようとする人は飯能や入間に限らず増えています。「始める」のは簡単です。しかし「続けられる」人が少ないのです。そういう人たちの中でもAさんが自分を差別化できることは「アイデア豊富な机」に絞り込んだことです。「椅子」の専門家は大勢いますが「机」の専門家はまだまだ少数だからです。

 Aさんが「机」の専門家として「飯が喰える」ようになるかどうかは、やってみなければその答えは出ません。「やってみなければ分からないこと」をやるのに必要なのは「始める勇気」だけです。資金の多少やメーケティングなどではありません。Aさんには、その勇気もあるようでした。

 専門家として社会に認知されるには「あの人は○○分野の専門家だ」と納得してもらうことが不可欠です。「その分野の専門家」として認知されるために、最低限、必要なのが自分のBlogなのです。「その分野に興味のある人の方からアクセスしてくれるだけの内容を持った」Blogなのです。

 起業で成功するためのステップに難しいところはありません。下記の「成功への階段」を一歩一歩着実に登っていくことなのです。
    ?まず自分にとって最適なビジネスを定める
    ?とにかく資金をかけずにできることから始めてしまう
    ?始めたらどんなに苦しくても諦めずに続ける
    ?目先の「金儲け」よりも「自分の成長」を優先していく
    ?「いつか必ず自分は成功するんだ」と自分自身を信じる
     (自分が自分を信じられることを“自信”というのです)

 これからAさんがどうなっていくかは、AさんのBlogが立ち上がるのを待ちたいと思います。開設したら、みんなで応援してあげて下さい。飯能・入間という「足下で起業する」人なのです。

| 小久保 達 | 23:48 | comments (1) | trackback (0) | ★小久保の地域活動★::「自分の足下で起業」相談所 |
◆「足下で起業」相談所・02〉◆きょうの相談者・Uターン希望のBさん           一級建築士として早く「独立」したいと焦るのですが・・・・ 
 きょう(2/11)相談にみえて中央公民館で会った関西在住のBさん(38才)は、昨年9月に私が担当した中小企業大学校東京校の「新規創業支援研修」の受講生です。(私の2/9の書き込みに2/11付けでコメントを書いてくれたyamoさんもその時の受講生です)

 Bさんが関西からわざわざ東京のセミナーを受講したのは実家が飯能市内にあるからです。きょう中央公民館で会えたのは、Bさんが週末を利用して飯能市内の実家に帰省したからです。そのBさんが2/6にメールをくれました。下記はそのメールの一部です。
(このBlogに書くことは当然Bさんの了解を得ています)

 9月にお会いした後、自問自答の日々がつずき現在は起業したいと考えています。が不安の方が多く次に進めないのでは?と思う事も多分にあります。これについては、お会いしてお話しが出来たら幸いです。

 この〈「足下で起業」相談所〉という項目タイトルの第01回では、「自分の足下で起業するのが重要な成功要因の一つだ」ということを書きました。

 Bさんは、社会人になってから一貫して建築関係の会社に勤めていて、そろそろ一級建築士として独立したいと考えているのですから、まさに「自分の足下」の分野で起業しようとしているわけです。

 しかし、「自分の足下」の仕事で起業しようとしているのに、それでも不安なのは「自分が手がけたいビジネス」が「具体的になっていない」からです。そして、ビジネスプランが具体的にならないのは「自分のお客が明確になっていない」からなのです。

 Bさんは、「個人住宅の設計」を専門にやっていきたいと考えています。初めてマイホームを建てる人の相談に乗りながら最適な住宅を安く建ててあげたい、と思っています。たしかに「自宅を建て売り住宅ではなく、注文住宅で建てたい」という人は昔から、いまも、そして将来もたくさん存在するでしょう。ビジネスとしては確立されている分野です。

 でも、「お客さんが確実に存在する」からといって、その人たちがBさんに自宅の設計を依頼することは絶対にありません。なぜなら、Bさんは、「マイホームを注文住宅で建てたいという人たち」にまったく知られていないからです。

 たしかに、Bさんは社会人になって15年も一級建築士として仕事ができたでしょう。しかし、それは「建設会社の組織のなかで、設計の仕事を担当していた」だけなのです。それだけでは「その道の専門家」と独立して飯を食っていくことはできないのです。

 一級建築士という信頼される国家資格を持っているのですから、会社を辞めて、建築設計事務所を設立して「社長」になることは簡単です。しかし、それですぐに仕事が来るということはありません。

 そもそも「資格」というものは、弁護士でも税理士でも、医師でも教員でも、司法書士でも行政書士でも「雇用されて働くには有利な資格」ですが、自分で独立したからといって、「その資格で食べていける」というものではないのです。これが「人に誇れる資格」を持っている人が陥る「落とし穴」で、昔から指摘されていることです。

 資格を頼りに脱サラした人にできることは、昔のコネで「下請け」仕事を安い金額で請け負うことだけでしょう。サラリーマン時代よりも長時間働いて、それでいて、サラリーマン時代よりも低い所得しか得られないのですから、殆どの脱サラが「続けられない」ことになってしまうのです。
 
 私が、きょうBさんにアドバイスできたのは下記の3点です。

?多数の設計事務所の中で「この分野は誰にも負けない」とか「この分野に強いのは日本では私しかいない」という、自分の専門分野を確立すること

 現在、建築家の中では、木造住宅、しかも、その家を建てる地域で育った木で造ることが着目されています。飯能市内では、早い時期から創夢舎吉野勲さんをはじめとして何人かの「先人」がすでに活躍しています。だからといって、その先人の建築家たちと同じことをやっても今からではBさんはいつまでも「その他大勢の一人」でしかありません。

 たとえBさんが、この分野で10年経験を積み重ねても、その10年の間にも先人達は更に「その先を行く」のですから、いま、この分野の専門家を目指しても、注文住宅を建てたい人たちは、「先人の専門家」に発注するのであって、無名で実績のまったく無いBさんに仕事に仕事が回ってくるのは、その「下請け仕事」だけでしょう。

 幸いなことに、Bさんは「木造住宅の経験は少ない」から「木造ということにはこだわらない」ということでした。では、どのような「分野」を専門にしていけばいいのでしょうか?


私はBさんに一つの例として
?「店舗併用住宅の専門家になる」というのはどうか? と提示してみました。

 いまGoogleで「店舗併用住宅」を検索すると35万件表示されます。ここからさらに専門分野を絞り込む必要があります。

 私はBさんに「自宅で起業したい定年退職者」に絞り込むのはどうか、と提示してみました。上記のGoogle検索結果をさらに「定年退職」でAND検索をかけてみると今度は13500件に絞り込まれます。さらに「起業」でAND検索をかけてみると565件にまで絞り込まれます。

 第01回でも書いたように、せっかく起業しても半数は1年も続けられないのが実態です。それは、「自分の足下」以外のビジネスで起業してしまうからです。賃貸用の「店舗併用住宅」ならともかく、自宅を「店舗併用住宅」にする人にとっては、住宅の設計施工と同時に「失敗しないビジネスで起業すること」も重要な課題なのです。店舗併用住宅を建てる前に「自分が始めるビジネス」の検討のほうが優先しなければならない課題なのです。

 大手の住宅販売会社は、「店舗併用住宅」を売りさえすれば(建てさえすれば)それで商売は完了します。入居者が数年後に、その店舗併用住宅で始めた商売で成功しようが失敗しようが関係ありません。

 いま、多くの定年退職者が、自宅を店舗併用住宅にしたのはいいが、肝心のその商売で失敗して、自宅を失ったり、離婚したりする羽目に陥っています。団塊の世代が退職するようになると、その「隠れた悲劇」はさらに増えていくことが予想されています。

 Bさんが、この「定年退職者に絞り込んだ店舗併用住宅の設計施工の受託」を自分の専門分野にするかどうかは、Bさん自身が決めることです。

 「定年退職」とか「団塊の世代」は、私(小久保)にとっては「自分の足下」ですが、38才のBさんにとっては「自分の足下」ではありません。

 しかし、Bさんがいまの会社を辞めて独立する時は、飯能市に戻って、実家を店舗併用住宅に建て替えるようになるかもしれません。そうなると「店舗併用住宅」はBさん自身の「足下」のことになります。

「店舗併用住宅」にも、自分の切実な課題として取り組めば、いままで気づかなかった「隙間」を見つけ出し、「新しいチャンス」を生み出せるかもしれません。

 自分の専門分野を「まだあまり着目されていない分野」「知られていない分野」に定めたら、それからどうすればいいのでしょうか?

私がBさんにアドバイスした3点目は下記のようなことでした。

?その専門分野に特化したBlogかサイトを開設してしまうこと

 このアドバイスは、第01回で紹介した、定年退職後の起業を考えている入間市のAさんへのアドバイスと同じです。

 インターネットの最大の利点は、Bさんがある専門分野(例えば店舗併用住宅)のサイトを立ち上げれば、その専門分野に興味ある人のほうからBさんのサイトを検索で探し出して見てくれるのです。

 もちろん、それには下記の条件を満たす必要があります。

   1.検索されたら上位に表示されること
   2.アクセスした人が期待していた以上の内容であること
   3.何度もアクセスしたくなるほど頻繁に更新されていること
   4.運営者(Bさん)が「この人は信用できる」と思われること
   5.質問、相談のメールを出してみたくなる内容であること

どのような分野でも、専門家として認知されなければ、その分野で食べていくことはできません。

 Bさんは、これから、自分の新しい専門分野を確立しなければならないのですから、初期段階から完成した内容を求められるホームページよりも、日々の成長の進捗を語れる形式になっているBlogのほうが有利でしょう。

 なぜなら「専門家のBlog」は簡単には始められませんが、「専門家を目指すBlog」なら明日からでも始められるからです。

私がBさんにアドバイスした4点目は下記のようなことでした。

?自分のBlogで、その分野の専門家として認知されるまでは脱サラしてはならない。経験を積むために転職したい会社があるなら、多少の収入減になってもそこに転職したほうがいい) 

 もし、Bさんが「起業を応援する店舗併用住宅の設計施工」の「専門家を目指すBlog」を立ち上げて、アクセス数が上がるようになっても、店舗併用住宅を建てたいという人から何件もの「受注」を獲得できるようになるまでは、絶対に脱サラしないほうが懸命なのです。

 専門家として認知されたか否かの判断基準の一つに「著書を出す」ことがあります。Blogが有利な点は、人気Blogには種々の出版社から「あなたのBlogを本にしたい」という打診がくることです。

 インターネットが出現する前は、無名の人は自分から出版社に売り込まなければ著書を出版することはできなかったのですが、Blogの出現によって、自分の著書を、自費出版なんかではなく、有力な出版社から出版できるようになるチャンスが誰にでも広がったのです。

| 小久保 達 | 22:52 | comments (3) | trackback (0) | ★小久保の地域活動★::「自分の足下で起業」相談所 |
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  • ★2017年7月の市長選★ ⇒【現職と新人の出馬動向】No.11       前県議の和田さんはブログで「共産党の候補者擁立は、笑止千万、究極のパフォーマンス!」と断定しているのですが・・・・。
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