2008-03-28 Fri
ブログの面白さは、書かれている内容が「リアルタイム」、「現在進行形」であることが大きな要素の一つです。
だから、大多数のブログは、日記スタイルで書かれています。
ところが、当ブログは管理人の私見、主張、構想(妄想?)が主力で、現在進行形の書込が殆どありません。
そこで、私が、浮き世のシガラミで、ふとしたことから関わることになってしまった、あるイベントの実行委員会で体験したこと、体験していくことをリアルタイムで、当ブログに書いていくことにします。
その実行委員会とは、現代座「約束の水」飯能公演実行委員会のことです。
この現代座公演にかかわらず、どの地域でも、大きな会場でプロの劇団の公演が開催されるときは、まず、地元の人たちを中心とした実行委員会が立ち上げられます。
そして、最初の実行委員会のメンバーは、実行委員を増やすために、それぞれ自分の友人知人に声をかけて、実行委員会に加わるように働きかけます。
私が、この実行委員会に「引き込まれる」ようになったのは、実行委員会の委員長である鴇田さん(ときたサービス)に、ある会合で会った時に、「3月28日の夜、双柳のマハロで実行委員会をやるから、来てくれないか」と誘われたからです。
やはり、私も「世間体」や「人付き合い」を多少は気にする人間ですから、付き合いのある知人から、直接、誘われると「断れない」ものです。
つい、はずみで「いいですよ」で了承してしまいました。
それで、きょう(3/28)は、その会合に出席してきたのですが、その場で、話し合われたコト、これからやろうとすることを、逐一、報告的に書いていこうと思っています。
2008-03-30 Sun
演劇公演の実行委員会の目標は「当日の会場を満席にする」ことです。
そのための最初の課題は、当然のことですが、とにかく、まず、公演日と公演会場、公演タイトルを地域の人たちに知ってもらい、各自のスケジュールのその時間帯に「観る予定」と入れておいてもらうことです。
劇団名や公演内容、入場料は、その次に知って貰えばいいのです。
2008年6月11日(水)18:45~
飯能市民会館大ホール
現代座公演『約束の水』
会場の飯能市民会館大ホールの客席は1102席。
この大ホールで開催される有料イベントが満席になるのは、テレビで顔と名前がかなり売れている歌手やお笑いタレントの公演くらいなのです。
(私の覚束ない記憶では、入場料が2000円を超える大人向けの演劇公演で飯能市民会館大ホールが満席になった事例を知りません)
しかし、一部の「超人気劇団」と違って、知名度が低く、有名な俳優を抱えていない小さな劇団の公演では、劇団の営業力だけで会場を満席にすることは不可能です。
それでも、日本で多くのプロ劇団が、有名な俳優がいなくても活動を続けることが出来ているのは、地方公演の場合は、劇団の営業活動を、その公演を開催する地域の市民有志による開催実行委員会が支援していくという方法が「各種の公演活動を支える文化として定着している」からなのです。
だから、一般的には、地道な活動を続けている劇団の地方公演を満席にする実行委員会が生まれる地域は「演劇に関する文化度が高い!」とか「低い!」というように評価されることもあります。
もちろん、公演ではチケットが完売になることは重要ですが、プロ劇団の地方公演を主催する市民有志による実行委員会では、通常は一人一人の委員が「営業上の赤字リスク」を負うことはありません。委員長と一部の委員が、友人知人に「赤字の場合のリスクは私たちが引き受けますから実行委員会に加わって貰いませんか?」と誘います。
なぜなら、実行委員会のメンバー全員が公演の赤字を負担することになったら、実行委員になる人はいなくなってしまからです。
あくまでも「満席」は委員会全体の活動の目標であって、委員一人一人に課せられるノルマではありません。
今回の現代座公演にかかわらず、全国公演をしているプロ劇団では、地方公演の赤字は、その劇団と実行委員長が責任を負うスタイルが多いようです。
その実行委員会の委員長には、その劇団の主旨や、公演内容に感激した人がなります。「自分が観て感激したから、地元に人たちにもぜひ観て貰いたい!」という情熱が、実行委員会を立ち上げるエネルギーになります。
もちろん、観客数は、公演する芝居の面白さに大きく左右されますが、実際には「面白い芝居であるか?否か?」はその芝居を観て初めて判ることなのですから、「面白そうだ!」と思わされるかが、「チケット販売の成否」を決めることになるのです。
ただ「赤字リスクの負担」は、劇団や各地で立ち上げられる実行委員会によってそのスタイルはマチマチですが、実行委員会の最初の課題は、とにかく、地域の人たちに、公演日時と会場の認知度をどのようにして高めていくか、ということになるのです。
そのために、今回の現代座『約束の水』飯能公演では、どのような方法があるのでしょうか? (それは、次回に)
2008-04-01 Tue
地域で演劇公演を開催する場合、主催者である実行委員会としての仕事は、①【広報宣伝】、②【入場券販売】、③【当日運営】の3つに区分しておくと、開催に協力する人たちにとって、「自分のやるべきこと」が明確に見えてきます。
まず①【広報宣伝】から考えていきましょう。
地域で<劇団名・公演タイトル・開催日時・会場・料金>をPRする方法はたくさんあります。
40年も50年も昔から今も行われているのは下記の方法です。
1.ポスターを大量に印刷して街中に張り出す
2.チラシを大量に印刷して地域の要所に置かせてもらう
3.そのチラシを地域の主要駅や繁華街で手渡ししていく
4.地元紙や全国紙県内版の<イベント情報欄>に載せてもらう
1~4は、インターネット時代になった現在でも、確実で不可欠なPR方法です。
<1.ポスターの張り出し>
現に、イベント情報の大部分をインターネットで把握している私でも、今回の現代座『約束の水』公演を知ったのは、自宅から東飯能駅まで歩いている間に、何カ所にも張り出されていたポスターからだったのです。
「これだけの距離の間で、何枚も貼られているということは、すで、実行委員会が大きくなっているんだなぁ・・・」と推測したのです。
でも、その時は
(私が協力できることは、『飯能いつどこ情報源』と『飯能イベントカレンダー』に掲載するだけ)と考え、実行委員会に関わっていくことはないとも思っていたのです。
<2.チラシ常備>
チラシは公民館などに置いてもらうのですが、最も効果的なチラシの置き場所は<駅の構内>です。
もし、飯能駅の改札口の近くに、<市内で開催されるすべてのイベントのチラシを常備してあるコーナー>があれば、主催者にとってこんな有りがたいものはありません。
私は、7年ほど前、西武鉄道の駅構内の宣伝看板設置担当者と交渉し、その<イベントチラシ常備コーナー>設置に必要な毎月の賃料を算出してもらい、飯能市の某部門に
「飯能市の市民サービスとして西武鉄道から場所を賃借するか、市役所のサービスセンターの前に置いておくようにして欲しいのですが、どうでしょうか?」とお伺いを立てたことがありますが、却下されました。
<3.チラシ配布>
駅前や街頭でのチラシ配布は、初めて経験するときは「恥ずかしい」ものですが、慣れてくると「受け取る人と受け取らない人の反応を見る」ことが面白くなってきます。
1人や2人で配布していると「寂しさ」を感じることもありますが、10人以上の大人数で賑やかに配布すると、それ自体が楽しい「遊び」にもなったりします。
<4.新聞掲載>
載せたい新聞の支局や、主要都市の市役所の中にある<記者クラブ>に「公演のお知らせ」を渡すと意外と簡単に載せてくれるものです。しかし、それには「新鮮な話題」や「その公演ならではの特筆事項」がないと記事にはなりません。
飯能市の場合、最もPR効果の高いのは、全国紙の埼玉版や埼玉新聞などよりも文化新聞でしょう。
今回の『約束の水』飯能公演でも、上記の4つの方法が広報宣伝の基本になります。その上で、新たなPR方法を駆使していくことになります。
(その方法は次回に・・・)
2008-04-03 Thu
地域で演劇公演を開催する場合の【広報宣伝】の基本は、古典的な方法である<ポスターの張り出し><チラシ常備><チラシ配布><新聞掲載>の他に、新しい媒体を活用する方法としては下記のようなものがあります。
5.地元CATVにイベント情報として放送してもらう
6.公演専用のwebサイトを開設する
7.地域情報サイトに掲載してもらう
8.実行委員が自分の知人でPRメールを送信する
<5.地元TV局の情報番組>
地元にCATVが無い地域では、この方法をとることができませんが、飯能にはテレビ飯能があります。地域の全世帯が加入してわけではないので、PRが届かない地区もありますが、「イベント情報コーナー」などなら無料で放送してもらえるのが、主催者としては嬉しいものです。
<6.webサイトの開設>
殆どの劇団は、公演する演目毎にwebサイトを充実させていますが、実行委員会で独自のwebサイトを開設することが増えてきています。劇団や公演内容の紹介は劇団サイトへリンクしておくだけでいいのですから、地元サイトは、「地域での広報活動報告」などをしていきます。
<7.地域情報サイトへの掲載>
地域情報サイトとは、『飯能いつどこ情報源』のように、対象を特定の地域に限定しているサイトのことです。実は、この『飯能いつどこ情報源』自体、私が自分で主催するイベント(有望若手応援寄席)や、自分も加わっているグループで主催するイベントをPRするための手段の一つとして開設されたのです。
しかし、<6>と<7>の難点は、携帯電話重視でPCをまったく使わない人たちが増えてきたことです。
だから、専用webサイトもPC向けと携帯電話向けの2種類を開設する場合が増えてきています。
<8.PRメール>
地域の人全員がインターネットに接続しているわけではないですが、それでも、実行委員1人が把握しているメールアドレスは、地域を限定しても100人~500人くらいはあるでしょうから、かなりの数の人たちにPRメールを送信することができます。
もちろん、ダブる送信先もかなりあるので、そのメールを受信した人は、何人も知人から「PRメール」が届くことになりますが、「迷惑メール」ではないので、マイナス効果になってしまうことはありません。
もちろん、いままで紹介した1~8以外にも、PR方法はまだまだあります。
(それは次回に)
2008-04-04 Fri
地域で演劇公演を開催する場合の【広報宣伝】の方法は、前述の1~8以外にもまだ多くのものがあります。手続き的に面倒なこともありますが、無料でできることとしては下記のような方法があります。
9.地元自治体の広報誌にイベント情報を掲載してもらう
10.当日使用する会場内にポスターを掲示しチラシを常備する
11.市内の小中高校・大学の校内に掲示させてもらう
12.町内会の回覧板でチラシを回覧してもらう
13.市内の各種グループの代表者にポスターとチラシを手渡す
14.公演日前に開催される各種のイベント会場でチラシを配布する
<9.広報誌への情報掲載>
自治体の広報誌の編集方針は、「市民主催のイベント情報を積極的に掲載していくもの」と「市民主催のイベント情報は掲載しないもの」に大別されます。残念ながら『広報はんのう』の編集方針は後者です。
10年も20年も前から、多くの住民グループが「市民主催イベント情報の掲載」を要請してきましたが、その要請ははね除けられてきたのです。
この「事実」だけでも「住民活動への行政支援に対する本音と本質」が見えてくるものです。
今回の『約束の水』飯能公演でも掲載を依頼することで、なんとか「イベント情報の掲載」の道を切り開いていきたいものですが、その経緯は当ブログにも書いていきます。
<10.使用会場でのPR>
どこの地域でも、市民が主催する大きな公演イベントのほとんどは市民会館が会場になります。だから、その市民会館の周囲や館内にポスターを掲示することは、開催場所を知らせるには最も確実なPR方法です。
しかし、それは、頻繁に各種のイベントが開催されている市民会館であればこそなのです。飯能市民会館のように大ホールでイベントが開催される回数が月間で0回~2回程度の「稼働率の低い」会場では、せっかくのポスター掲示やチラシ常備もあまりPR効果を生み出せません。
<11.市内の学校>
イベントの内容が児童、生徒、学生向けのものであれば、かなりのPR効果を期待できますが、学校によって<入場料を徴収するイベント>は断られることがあります。その理由は「営利目的の活動には協力できない」とか「お金が無くて行けない子供がかわいそうだ・・・」というものです。
そんな時に「威力を発揮する」のが「飯能市後援」とか「教育委員会後援」という「お墨付き」です。このような面では、日本はまだまだ<官のお墨付き>が効力を持っている社会なのです。
<12.町内会の回覧板>
かなり昔から続いている伝達方法ですが、最近はその浸透力が弱くなってきています。しかし、地道なPR方法としては欠かせない方法でしょう。
<13.各種グループの代表者>
市内には趣味や信条でつながっている無数の市民グループがあります。そのグループのメンバーの人たちに代表者から公演イベントをPRしてもらう方法です。『約束の水』飯能公演では、芝居のテーマである「環境」に関連するグループに働きかけようということになりました。
<14.各種イベント会場>
チラシ配布で最も効果の高いのは同種のイベント会場で配布することです。
「芝居のチラシは芝居の会場で配布する」
「落語会のチラシは落語会の会場で配布する」
「コンサートのチラシはコンサート会場で配布する」
私が主催している<有望若手応援寄席・飯能>も、飯能市内だけでなく、入間市、日高市、所沢市、青梅市の市民会館などで開催された落語会で配布したチラシを見て、それで来てくれる人が多いのです。
もちろん、芝居の会場でコンサートのチラシを配布したり、コンサート会場で落語会のチラシを配布しても、ある程度の効果はあります。
だから、<有望若手応援寄席>では、色々なイベント会場でチラシ配布をお願いしてきましたし、その<お返し>として、依頼されるイベント情報チラシはどんなものでも拒まずに落語会場で配布するようにしています。
このように、市民が主催するイベント会場でお互いのチラシを配布する連鎖がとぎれなくつながっていくことが「飯能を面白くする」には不可欠な仕組みだと思ってきました。
2008-04-05 Sat
地域で演劇公演を開催する場合の【広報宣伝】も、多少の経費をかけても構わないのであれば下記のような方法もあります。
15.一般紙の朝刊にチラシを折り込む
16.乗降客の多い駅構内にポスターを張り出す
17.広報宣伝カーで市内を巡回する
<15.新聞折込>
料金は新聞専売店によって多少の違いはありますが、チラシを折り込む月日だけでなく、地域を細分化して、配達エリアを選択することも可能です。
しかし、最近は新聞そのものを購読しない世帯が増えてきているので、その人たちには折込チラシは届かないのです。
予算に余裕があれば、公演日まで2回でも3回でも、確認しながら次の折込を依頼することができます。実行委員会に新聞専売店の関係者に加わって貰えれば多少の有り引きが規定できることもあります。
<16.駅構内でのポスター掲示>
料金は掲示するポスターのサイズと期間に比例して高くなっていきます。
飯能市内なら飯能駅か東飯能駅ですが、乗降客の流れによって、PR効果はかなり左右されるようです。料金が高いせいか、最近では、イベントPRのポスター掲示はあまり見かけません。
市役所サービスセンターの壁面は、市のポスター以外にも掲示する余裕があるので、市役所が「有料」で、スペースを提供することが望まれています。
飯能市役所サイトでは「月間15000円」で市内の事業所の広告が掲載されるようになったので、飯能駅構内での<有料掲示板>の可能性が無いわけではありません。
<17.宣伝カー>
これは、スピーカーが搭載されている専用車のレンタル料金がかかります。
いまでも、たまに見かけますが、これは、公演直前になってもチケットが期待通りに売れなかったときに取られる方法です。
当日の開演時刻ギリギリまで、市内を走行することもできますが、それは「チケットが売れていない」ということでもあるわけです。
しかし、有料のPR方法は、その費用の負担をめぐって、実行委員会の内部で意見の違いを生み、そこから委員同士の反目や分裂が生じることも希にあり得ることです。
以上、【広報宣伝】としては、書き込んだ1~17の方法を組み合わせてPRしていくことになります。