2007-07-17 Tue
事業プランが頭の中に有るだけでは、それは単なる<妄想>です。
その<妄想>を具体的な<構想>レベルにまで深めいくには、プランの内容を簡潔に紙に書いていく必要があります。
その紙に書かれたものが<事業計画書>です。
そのための作業が<ビジネスプランの作成>です。
そのための専用フォーム(書式)を先日(7/3)紹介しました。
20の枠の中を項目別に記入していく『ビジネスアイデア定着シート』と
各項目で書くべき内容を説明した『20項目のチェックポイント』です。
上記をクリックしてダウンロードして実際に記入してみて下さい。
(両方ともA3サイズ横長です)
まずタイトルを書くことから始めましょう。
所定の枠に太い字で大きく書いてみましょう。
ここで「タイトルが書けない」ということはないと思います。
もし書けないのだとしたら、それは「ビジネスプランが無い」ということです。
たとえば「森林活性化ビジネス」とか「地域活性化ビジネス」というタイトルをつけても、そのような一般的な名称だけでは読んだ人にその内容がまったく伝わりません。
ビジネス内容がなかなか具体的に出来ない理由の多くは、そもそも最初に付けるビジネスタイトルが抽象的で一般的なものになってしまうことにあります。
「地元産の木材を活かして○○を製造販売するビジネス」と書けば、そのタイトルを読んだ人も大方の内容は推測できます。
「□□木工教室の経営」とか「△△専門レストラン」くらいにまで絞り込んだタイトルにすれば、周囲の人たちもその内容をある程度は推測できます。
しかし、「生徒が溢れる○○教室」というタイトルでは、「なぜ、生徒が溢れるほど集まるのか?」の根拠がまったく示されてはいないので「願望を書いただけじゃないか」と笑われるだけでしょう。
「行列のできる○○レストラン」というタイトルも、お店のキャッチフレーズにはなっても、それはビジネスのタイトルではありません。
「これから起業しよう」という人にとっては、ビジネスタイトルはできるだけ練り込むことが重要です。
なぜなら、他人が自分のビジネスを応援してくれるようになるかどうかの最初の分岐点が、このタイトルの良し悪しだからです。
ただ「ラーメン屋」と書くよりも「○○麺の専門店」にほうがビジネスタイトルとして短くても的確です。
それからさらに「△△に特化した□□を・・・・・・で提供する○○麺の専門店」にすれば、周囲の人たちは、そのタイトルを聞いただけで興味を持ってくれるでしょう。
ちなみに、私が23年前に、いまの仕事を始めるときに作成したビジネスプランのタイトルは
「脱サラしたい人を対象に失敗しないためのノウハウを教える創業開発研究所」というものでした(昔のことなので正確な記憶ではありませんが・・・・)
厳密に言えば「創業開発研究所」とは、社名にはなっても、それはビジネスタイトルではありません。
当時の私は、脱サラする前から「社名は創業開発研究所にしよう」と決めていたので、それをタイトルに使いたかっただけのコトでした。
2007-07-18 Wed
事業計画書(事業概要説明書)を作成する目的は下記の2つです。
1.自分の考えを発展、深化、整理するために書く
2.周囲の人に見せて自分への協力を引き出すために書く
だから、事業計画書は「書いたら」その次は、「周囲の人に見せて説明する」ことが重要なのです。
講座などでは
「まだ考えがまとまらないから書けない」 「考えがまとまってから書く」
と言い訳する人がいますが、だから「書けない」のです。
「考えがまとまってから書く」のではないのです。
「書くから考えがまとまる」のです。
だから「書き出さない限り事業計画書は書けない」のです。
私の講座では
「ある程度まで書いたら、それを自分の周囲の人たちに見せて、その人たちの意見を聞いてみて下さい」という課題を与えます。
「ある程度」というのは『ビジネスアイデア定着シート』の1~20の項目で言えば
<1.このビジネスが対象とする顧客>から
<10.このビジネスが含んでいる問題点と課題>までくらいです。
私がそのように言うと
「まだ人に話せるほどにはプランは具体的になっていない」
と、やはり言い訳を言う人がいます。
この「話す」ことでも同じです。
「考えが具体的になってから人に話そう」と思っている限りプランはなかなか具体的にはなっていかないのです。
「考えを人に話すから具体的になる」のです。
周囲の人に事業計画書(ビジネスプラン)を見せて意見を聞き出す理由下記の2つです。
1.説明することでプランが練り込まれていくから
それは、話した人から、自分では気づかなかった欠落点を指摘してもらえるからです。質問されたときに新たな発想が浮かぶからです。
2.プランに興味を持った人は協力してくれるから
協力というのは資金だけでなく、知恵、情報、応援も含まれています。
だから、「一人に話す」よりも「二人に話す」ほうが、より具体的になっていくのです。
もちろん「二人より三人」「三人より五人」「五人より十人」に話したほうがいいのです。
2007-07-18 Wed
私が担当する起業準備講座の<第二段階>は、
「ビジネスプランを書き、それを身近な人たちに見せて意見を聞き出して、それで得られたことを反映した『ビジネスアイデア定着シート』を提出できる人」
だけを対象にしています。
ビジネスプランを紙に書けない人、そのプランを身近な人に説明できない人は、結局は「始められない人」なので受講しても意味が無いからです。
<第一段階>の受講から<第二段階>の受講まで1週間しかない場合は、会って話して意見を聞き出す人数を「最低でも3人以上」と指示しています。
<身近な人>というのは、既婚者であれば、まず配偶者です。
独身者であれば、親、兄弟姉妹、かなり親しい親戚の人です。
それと付き合いの長い友人や職場の上司、同僚です。
なぜなら、その人たちだけが、あなたが手がけようとしているビジネスが、あなたにとって最適ビジネスであるか否かを判断できる人たちだからです。
私のように起業準備講座で<講師と受講生という関係>で出会っただけの人間には、そこまでの判断はできないのです。
とくにここ10年くらいは「自分の好きなことで起業しよう!」ということがスローガンのように表明的には広まっているので
「この仕事が好きだから起業したいのです」「好きだから自分には天職です」と常套句のように言っているだけのような人が少なくないのです。
あなたが手がけようとしているビジネスが、本当にあなたにとって最適ビジネスであるなら、身近な人はあなたに、その場で率直に
「それはいいビジネスだ!」
「そのビジネスはあなたに合っている」
「もともとあなたはそういうビジネスをやるべきだったんだ!」
と言ってくれるはずなのです。
もし、身近な人の大部分が
「なんで、あなたがそんなビジネスをやるの?」
「そのビジネスがあなたに相応しいとは思えない!」
と言ったら、それはあなたにとっては<やらないほうがいいビジネス>なのです。
私が担当する起業準備講座では、既婚者には
夫婦一緒に始めるビジネスではなくても、「できれば配偶者も一緒に受講するほうがいい」と勧めることにしています。