2007-07-27 Fri
「起業して成功する」ということは、どういうことを言うのでしょうか?
<始める>という段階では、実際に始めた人が「成功した人」です。
<続ける>という段階では、いまも「続いている人」「続けている人」が「成功している人」です。「楽しく」続けている人、「元気で」続けられている人が「成功している人」です。
<成長する>という段階では、ビジネスの規模が拡大した人が「成功した人」です。起業した当人が、プロとしても成長した人、経営者としても成長した人、人間としても一段と成長した人が「成功した人」です。
ビジネスの世界でも<成長>と<成功>は、密接な関係になっています。
【「目的」か?「手段」か?】No.2(7/10)にも書きましたが、
<人生の充実>を起業の目的にする人と、<金儲け>を目的にする人がいます。
<金儲け>を目的にすることは悪いことではありませんが、<人生の充実>を目的にしている人と比較すると、実は、多くの点で意外な<損>をしてしまいます。
起業してすぐに儲かるビジネスというものは、世の中に皆無ではありませんが、あまり多くはありません。
だから、<金儲け>を目的に起業した人は、実際に「金を儲ける」という成功を手にするまでには、ある程度の年月を必要とします。
半年か、1年か、3年か、5年か、10年か、20年か・・・・・・・・。
ようやっと「儲かるようになった」としても、すぐまた、明日は「儲からなくなる」かもしれません。
ビジネス自体は順調で儲かっていても、ビジネス以外のことで大きな損害を被ってしまい、トータルでは「儲からない」ということもよくあります。
だから「損をしたらどうしよう・・・」「儲からなくなったらどうしよう」という不安はいつも起業した人の胸中からは消えないものなのです。
これに対して<人生の充実>を目的に起業した人は、
そのビジネスを始めたときから毎日が、勤め人の時の仕事とは比較にならないくらい充実します。
だから、<人生の充実>を目的に起業した人は、
起業してすぐに、その充実を満喫することができます。
しかも、 その充実感は毎日続くのです。
さらに、
自分が時間と意欲を注げば注ぐほどその充実感は大きくなります。
ビジネスとして儲かるようになれば、その充実感はさらに増しますが、<儲からない時>でも、ビジネスから得られる手応えや充実感が消えることはありません。
その<ビジネスから得られる充実感>は、その人の潜在能力を引き出し、顕在能力を高め、対人関係での運をも呼び寄せることが多いのです。
その結果として、すべての面で成長していくようになります。
2007-07-29 Sun
どの国でも、どの分野でも、
<起業家の成功物語>には大きく欠落している部分があります。
起業家の成功は、どうしても<株式公開><創業者利潤の金額><豪邸>
<優雅な生活><交友関係><知名度>など、
他人から見えるコトだけに焦点が当てられてしまうことです。
しかし、それらは、<現在>のことのように見えますが、
実は<過去の結果>としての<成功した現在の姿>なのであって、
<未来も成功をもたらす要因としての現在>ではありません。
その<目に見える成功>をもたらした<目には見えない成長の歩み>にまで焦点が当てられることが極めて少ないのが現代の現実です。
その原因の一つは、<成功した起業家><失敗した起業家>を紹介する人たちが、起業家の<成功>と<成長>を混同していることにあります。
起業家の成功と失敗は、その人の全生涯で判断するべきなのです。
いま、どのようなことに挑戦しているのか?
これから何をしようとしているのか?
世の中に何を実現しようとしているのか?
その挑戦に過去の成功や失敗をどのように活かすのか?
2007-07-30 Mon
ライブドアのホリエモンも村上ファンドの村上世彰も、社会では<失敗者>の烙印を押されてしまいましたが、まだ起業家としての生涯が終わったわけではありません。
これから、彼らがどのように<成長>していくかを見ていくのも面白いでしょう。
人間の<本当の評価>は、その人の最期までわからないものです。
ソフトバンクの孫社長さんも、楽天の三木谷社長も、同じように、まだ起業家としての生涯が終わったわけではありません。
<成功した>と言われている起業家の<これからのさらなる成長>や<意外な末路>などの栄枯盛衰を見ていくのもやはり面白いでしょう。
「いままで成功してきた」からといって、「これからも成功する」とは限りません。
むしろ、起業してからビジネスを引退するまで「成功し続けてきた」という起業家は皆無でしょう。
<成功した人>という過去形ではなく、
<成功する人>という願望形でもなく、
未来も<成功する人>という予想形で、
起業家を見る時、その最も確実な根拠は、
その起業家に関わる<成功要因>と、内包している<成長要因>にあります。
<成功要因>には、景気変動や気象状況、社会状況、制度変更など多くの他律要因に影響されるモノが含まれていますが、
<成長要因>は、その殆どが自律要因なのです。
自律要因は、起業家自身の行動や思考に起因しているので、他人が外から見ただけでは、その実像はなかなか解明することができません。
しかし、その人の言動、行動、価値観などを丹念に分析していくと見えてくることもありますが、それが証明されるのは、その起業家がビジネスから引退してからになってしまいます。