2007-09-28 Fri
この【「箱物行政」の聖域なのか?】という中項目は、
「図書館は箱物行政の聖域なのか?」という意味です。
(カテゴリータイトルの字数制限で短縮しています)
日本には「箱物」とか「箱物行政」という言葉が有ります。
その言葉には、下記のようなマイナスイメージが込められています。
1.「公共施設さえ建てれば行政は上手くいく」と思っている
2.「国の補助金が出るから建てなければ損だ」という意識が有る
3.建物は斬新で立派だが「利用者の立場に立った運営」がお粗末だ
4.「建築費」だけを重視して毎年の運営費を考慮していない
5.首長も担当者も「目に見える建物」で自分の実績を誇示したがる
6.住民に「自分の懐が痛まないなら有ったほうがいい」という意識が有る
昔から「箱物行政」は多方面から批判されてきましたが、その中でも、実は「例外」が有ります。それは「小中学校の校舎」と「図書館」です。
「校舎」と「図書館」だけは、「建てる場所」と「建てる時期」で批判されることはあっても、どれだけの建設費がかかろうと、どういう訳か、そのことが批判されることはありません。
博物館や郷土資料館、美術館、運動施設などが「愚かな箱物行政」と批判されることはあっても、なぜか「校舎」と「図書館」だけは批判されません。
まるで、「新しい校舎」や「新しい図書館」の建設だけは、「住民も反対することができない聖域」であるかのようです。
そのためか、飯能市でも、老朽化した現在の飯能市立図書館とは別の場所(飯能市が公社から引き継いだ旧平岡レース跡地)に、新しい図書館を建設する計画が既定路線として着実に進行していますが、このことを真っ向から批判する人はまだいません。(陰で批判している人は居るのでしょうが・・・・・)
おそらく、大多数の飯能市民は、
「現在とは別のもっと便利な場所に新しい図書館を設置する計画」に対して、「箱物行政に無駄な税金を使うな!」という理由で反対する人は極めて少ないのではないでしょうか。
もちろん、私も「新しい図書館」を待ち望んでいます。
しかし、私が望んでいる「新しい図書館」とは
「もっと便利な場所」に「設置する」図書館のことであって
「山手町の市有地」に「新しい建物を建てる」ことには反対です。
なぜなら、その「市有地が有るから図書館はそこに建てる」という姿勢こそ、いま厳しく戒めなければならない「箱物行政」の典型だからです。
(その理由は次回に)
2007-10-02 Tue
「箱物行政批判」とは、何も「一切の箱物を建てるな!」ということではありません。
「箱物行政」とは、「建てないで済む可能性を検討もせずに、初めから新館建設と決めて着工してしまおう」とする姿勢のことを言うのです。
「工夫すれば新たな箱物を建設しないで済む方法」が有るのにもかかわらず、
その可能性の検証もせずに、最初から「余っている土地が有るからそこに建物を建ててしまえば、遊休地を有効活用できないことへの批判を抑えられる」と思うような意識のことを言うのです。
飯能市で言えば、市民会館そばの山手町市有地に建てる計画が進行している新図書館が、その典型的な「箱物行政ただいま進行中!」なのです。
私が、この<山手町市有地での新図書館建設>が「箱物行政の典型」と、自信をもって断言できるのは下記の3つの「事実」が有るからです。
1.現在の図書館以外の場所に新しい図書館を建設する場合、最初に検討されるべきことは「これからの図書館に最も相応しい場所はどこか?」ということなのですが、飯能市は、そのような検討をしないで、当初から「諸般の事情で抱え込むことになった市有地が有るから」という理由だけで、山手町の市有地に新しい図書館を建てることに決めている。
2.いまは、どこの自治体も市内の大型商業施設が撤退した後に、その地域の地盤沈下を阻止するために、公共施設として借り上げて、賑わいを維持する措置を取るのが常識になってきている時代なのですが、飯能市でも大型商業施設に図書館が入居できる可能性が有るにもかかわらず、それを無視して、当初から「諸般の事情で抱え込むことになった市有地が有るから」という理由だけで、山手町の市有地に決めている。
3.市民が「次の図書館の場所」に望むのは「駅前の便利な場所」か、「駅から遠くても広い駐車場が確保できる場所」のどちらなのに、いまだに飯能市は、「新図書館はどこに在るのがいいか?」の要望をくみ上げる市民アンケートを実施していないが、これも、上記「1」と「2」が「市としての意向」であることが露呈されている。
飯能市は、「新図書館は地元産の西川材をふんだんに使用した特徴の有る建物にしたい」というような発言をしています。
私も「西川材をふんだんに使用した特徴の有る建物ができる」ことは大賛成ですが、何も、それは「図書館」に限られるものではありません。
「西川材を使用した公共の建物」は、図書館以外にも、市立校の校舎、体育館、クラブハウス、保育園舎、市営住宅などで実現することができるのです。
2007-10-04 Thu
図書館の場所として理想的な条件は下記の2つでしょう。
A・主要駅の駅ビル内か駅前に有ること
B・充分な広さの駐車場が有ること
もちろん、AとBの両方を兼ね備えている場所が最も理想的です。
飯能市がいま「新しい図書館」の建設地として「決めている」の山手町は、現在の図書館よりも飯能駅やバス停からは遠くなりますが、<条件B>を充たしています。
しかし、飯能市には、<条件A>の場所が幾つもあります。
それは、「新しい建物を建てる」のではなく、駅前の大型商業施設に「家賃を払って入居する」ことです。
現在、図書館として入居できる可能性の有る大型商業施設は下記の4ヵ所があります。
1.飯能駅ビル(飯能ペペ)
2.丸広飯能店(ほぼ駅前です)
3.サビア(ほぼ駅前でしょう)
4.旧丸広東飯能店(東飯能駅ですが)
もちろん、上記の4つの商業ビルは、いますぐ「図書館が入居できる」ことを承諾しているわけではありません。
しかし、「家賃と入居時期」についての交渉次第では「図書館として入居できる可能性」が有るのです。
新図書館に対する市民の要望の大半が<B・広い駐車場が有ること>であれば、「駅前のビルに入居する」という選択肢は無くてもいいのでしょうが、
市民の要望の大半が<A・駅ビル内か駅前に有ること>であれば、
「駅前のビルに入居する」という選択肢は、「可能性がゼロ」になるまでは、諦めるべきではありません。
ところが、新図書館の担当者は、この「駅前ビルへのテナント入居」という選択肢に対して、「可能性が無い」 「不経済だ」と発言しています。
駅前ビルという、図書館利用者にとって基も便利な場所にテナント入居できる可能性が有るのに
「可能性は無い」と断定し、「賃貸は不経済だ」と決め付けて
「山手町用地での建設」にこだわるのは、
それこそが「箱物行政から脱却できていない」ことなのです。
新図書館の担当者が、「駅ビルへのテナント入居」は「不経済で可能性が無い」ということは、9月の市議会でも答弁されています。
そこで、次は「その答弁」に含まれている「嘘とごまかし」を一つずつ指摘していきます。