2007-07-01 Sun
<c.ビジネスの分野を定めただけ(なのにプラン有りと言っている)人
<d.分野は定めているがビジネスの内容が具体的ではない人へのコメント>
こういう人にとって最大の優先順位は、
「本当にこの分野が自分にとって最適なビジネス分野なのだろうか?」
ということを何度も自問自答してみることです。
なぜなら、「分野」が定まっているのに「ビジネスの内容が具体的にならない」理由として一番大きいのは「その人にとって最適なビジネスではないから」ということだからです。
ここで、「ビジネスの内容を具体的にする」とは、どういうことなのかを説明しておきたいと思います。
それはまず、「対象とするお客」を明確にすることなのです。
「どういう人たちをお客さんにしようとしているのか?」
「どこの、どういう人たちに売り込もうとしているのか?」
「誰から、どのようなことでお金を頂こうとしているのか?」
ということを明確にすることなのです。
個人なのか? 家庭なのか? 事業所なのか?
対象とする顧客によって、同じ分野でも、ビジネスの内容はかなり違ってきます。
<本当のお客>は誰なのか?
ビジネスでは、これが一番重要なポイントなのです。
例えば、<介護ビジネス>を例にして考えてみましょう。
このビジネスの<顧客>は、3つに大別されます。
介護保険がスタートするまでは、<介護ビジネス>の対象は
「寝たきり老人」当人ではなく、
「寝たきり老人を抱えて困っている家族」でした。
その後、<介護サービス>の内容が幅広くなって、
「介護を必要としている高齢者本人」になってきました。
しかし、介護保険制度がスタートしてからは、
「介護サービス業者を認定する」市役所が<お金を払ってくれるお客>になったのです。
コムスンが短期間で大きな企業になったのは
<介護の指定業者を増やさなければならない>行政の組織を<本当の顧客>対象に定めていたからなのです。
コムスンが社会的な非難を浴びて一気にダメになったのは、その行政という顧客に「不正」をはたらいたからなのです。
「介護を受けている高齢者」や「介護を要する人を抱えている家族」に喜ばれていても、<介護ビジネスの本当の顧客>である<介護保険システムの運営組織>の信用を失ったから、「存続を許されなくなった」のです。
<個人を対象としたビジネス>は、その個人の性別、年齢、職業、趣味嗜好、行動傾向によっても、ビジネスの仕方が大きく変わるものが多いのです。
例えば<ダイエット関連ビジネス>では、男性を対象にしたビジネスと、女性を対象にしたビジネスでは、その内容も展開も大きく異なります。
同じ<ダイエットビジネス>と言っても、
現在肥満の人を対象にしたビジネスと、いまのスマートさを保持したいという人を対象にしたビジネスは、けっして同じ内容ではありません。
同じ<ダイエットビジネス>と言っても、
若い人を対象にしたビジネスと、高齢者を対象にしたビジネスでも、その内容は大きく異なります。
分野を定めているのにビジネス内容がなかなか具体的にならないという人は、
この<対象とする顧客>を明確に定めない限り、そこから先へは、いつまでたっても進めないのです。
<対象とする顧客>が明確になれば、
その対象者の、あなたがビジネスをしたいという分野に関してのニーズが見えてくるはずです。もしくは推測できるはずなのです。
ビジネスとは、顧客の欲しているもの(ニーズ)を提供することでお金を頂けるのです。
ビジネスとは、顧客の困っていること(ニーズ)を解消してあげることでお金を頂けるのです。
だから、<対象とする顧客>を明確にしない限り、ビジネスの内容は具体的になっていかないのです。
2007-07-02 Mon
<b.プランは頭の中で出来上がっている(と言っている)人へのコメント>
こういう人にとって最大の優先順位は、
その事業プランを、第三者に理解できるように紙に詳しく書くことです。
つまり自分なりの事業概要書や事業計画書を作成することです。
私が担当してきた起業塾では、私からこのように課題を示されると、
「事業計画書の書き方が判らないから書けない」と言い訳をする人が少なくありません。
しかし、こういう人は、実は
「事業計画書の書き方が判らないから書けないのではなく、具体的な事業プラン無いから書きようがない」というのが実情なのです。
本当に<自分が手がけたい事業のプラン>が有るなら、考え出した時点で、その事業の内容を紙に書き出しているはずなのです。
そのことは〈起業する人・できない人〉No.2(6/22)でも書きました。
私はいつも「起業と結婚は似ている」と言っています。
「本当に結婚したいと思う相手」がいれば、誰からも言われなくても、その人へのラブレターを書き出しているものです。
(たとえ相手には出せなくてもですが・・・・・)
<本当に起業したい事業プラン>もそれと同じなのです。
「誰をお客にするのか?」
具体的なプランが頭の中に有るなら、それは書けるはずです。
「その顧客対象のどのようなニーズに焦点をあてるのか?」
具体的なプランが頭の中に有るなら、それも書けるはずです。
「顧客のそのニーズに対してどのようなサービスを提供するのか?」
具体的なプランが頭の中に有るなら、当然、それも書けるはずです。
「自分はなぜ、そのビジネスを始めたいのか?」
これもとうぜん、スラスラと書けるはずです。
「いつ頃から始めたいのか?」
「どこで始めたいのか?」
「どの程度の規模で始めたいのか?」(一人でか?家族とか?雇うのか?)
などということも書けるはずです。
「同じようなビジネスを既にやっている人がいるのか?いないのか?」
「ライバルになるのはどこ(誰)か?」
「そのライバルと比較して自分のどこが優位なのか?」
ということも書けるはずです。
「最初の顧客をどのようにして獲得するのか?」
「どのようにして固定客を増やしていくのか?」
も書けるはずです。
さらには
「そのビジネスでのリスクにはどのようなことが考えられるのか?」
「そのリスクに対して自分はどのように備えているのか?」
ということまでも書けるはずです。
私がここまで言うと、「判りました」と言って、事業概要説明書や事業計画書を書いてくる人もいます。
だから、私が担当する起業塾では、<第一段階>の終わりに、
「次の第二段階は具体的な事業プランの有るだけが対象です」
「受講したい人は、第二段階を受講する当日でいいですから書いた事業計画書を持参して下さい」
と言うことにしています。
「プランは頭の中で出来上がっている」と思っている人は、ぜひ、
その事業プランを、他人が読んで理解できるように紙に書いてみて下さい。
書けないようであれば、その事業プランは、
実は、あなたにとって<最適なビジネス>ではないのです。
素直にその現実に直視して、もう一度、<自分の足下>を探してみることをお薦めします。
2007-07-03 Tue
<a.事業計画書らしきものは作成している(から持参してくる)人へのコメント>
こういう人にとって、次に取り組むことは、その事業概要説明書や事業計画書を、第三者に読んで貰うように、簡潔に「1枚の紙」にまとめることです。
これから起業しようという人が、事業概要説明書や事業計画書を作成する目的は下記の2つです。
1.自分の頭の中の考えを整理しながら深め広げるために書く
2.他人に読んで貰って自分への協力者を増やすために書く
「プランの概要を一目で判る」ようにするために「1枚」にまとめるのです・
「事業計画書は分厚いほうがいい」と思い込んでいる人は意外と多いものです。
もちろん、詳しく、広範囲に、多角的な視点から検証された事業計画書は結果としては分厚くなります。
しかし、いきなり分厚い事業計画書を作成しようとするから「どう書いていいか」が判らなくなるのです。
「分厚い事業計画書」というものは、「分厚い」というだけで、他人にしてみれば読むのにかなりの時間がかかるだけに億劫になります。
しかも、
「枚数の多い企画書」は読んでもなかなか理解して貰えません。
人間は「理解できないこと」は応援しないものです。
だからこそ、自分の起業に協力して貰うためにも「その人に最初に見せる企画書」は「1枚」に簡潔にまとめたものにすべきなのです。
B5用紙1枚でもかまいません。
そのサイズで書ききれなかったらA4用紙かB4用紙に書けばいいのです。
そのサイズで書ききれないのであれば、A3用紙でもいいのです。
そのA3用紙に書ききれなければ、A3用紙を2枚貼り合わせA2版サイズにしてもいいから、とにかく「1枚」にまとめたほうがいいのです。
自分と人間関係の在る人であれば、どんなに多忙であっても「1枚」なら読んでくれます。読んでくれれば、書かれている分量はたった「1枚」なのですから理解して貰えます。理解して貰えれば、その人の協力を引き出すことも可能になります。
もしも、その人がそこで「もっと詳しく書いたのは無いのか?」と求めてきたら、分厚い事業計画書を見せればいいのです。
今度は、その人が自らあなたの企画書を読む気になっているのですから「分厚い企画書」でもOKなのです。
私が担当する起業塾の<第二段階>では、受講生が「1枚」にまとめた事業概要説明書をみんなで読んで、意見を出し合うスタイルで進めていきます。
だから、みんなが読む「1枚」は、みんなが同じ書式のほうが読みやすく、比較もしやすくなります。
そこで私は、いつも<第一段階>の最後に
「a.事業計画書を作成している」という人
「b.事業プランは頭の中でできている」という人
「c.分野は定めている」という人に
私が作成した『ビジネスアイデア定着シート』(A3版)を渡して、書式に従って、それに事業内容を書き込んでもらうようにしています。
この書式を使うと、大部分の人は、自分の事業プランが具体的になっていきます。
その『ビジネスアイデア定着シート』(A3版)が欲しい人は、ここをクリックして下さい。
A3サイズのWordファイルにしていますのでご自分のパソコンに取り込んでword印刷して書き込みように使ってみて下さい。
書き込む項目は全部で20項目ありますが、「どのようなコトを書けばいいのか要領がわからない」という方は、ここをクリックして下さい。
その20項目について簡単な解説を、同じA3サイズの一覧表にしてまとめてあります。
2007-07-06 Fri
起業の成功要因を一言でまとめるとしたら、それは
「自分にとって最適なビジネスで起業する」ということです。
<自分にとって最適なビジネス>とは
あれやこれや迷わずに
「これだ!」「これ以外に無い」と決断できるビジネスのことです。
なかなか「これだ!」と決断できなかったとしたら、
それは<自分にとって最適なビジネス>ではありません。
<自分にとって最適なビジネス>とは
不安があっても「えい!やー!」と始めてしまえる勇気が湧いてくるビジネスのことです。
「失敗したらどうしよう・・・・」という不安に苛まされ続けるたとしたら、
それは<自分にとって最適なビジネス>とは言えません。
<自分にとって最適なビジネス>とは
始めようとするときに、自分の身近な人から応援して貰えるビジネスのことです。
妻や夫、親や兄弟、長年の親友から
「なんでお前がそんなビジネスを始めるんだ?」
「お前のやるべきビジネスではない!」
と指摘されたら、それは<自分にとって最適なビジネス>とは言えません。
<自分にとって最適なビジネス>とは
身近な人から
「それはお前らしいビジネスだ!」
「お前にはそのビジネスが一番合っている!」
「お前にはそういうビジネスがいいと前から思っていたよ」
と言われるビジネスのことです。
だからこそ、そのような人たちから応援して貰えるのです。
続き▽
2007-07-07 Sat
<自分にとって最適なビジネス>を見つける確実な方向は<自分の足下>です。
何が<自分の足下>なのかということについては、[6/28] と [6/29]に書きましたので、そちらを読んで下さい。
どのような<分野><業界><業種>であっても、
<ビジネスの根幹>は下記の7つに集約されます。
1.求められているモノをつくる(作る・造る・創る)
2.求められているモノを売る(店舗で売る・ネットで売る)
3.求められているモノを貸す(売らず貸してあげる)
4.求められているコト、専門的なコトを教える(教育・コンサル)
5.困っていることの解決を手伝う(代行・派遣・・・・・)
6.気分良くもてなす(飲食・宿泊・時間消費・・・・・・)
7.専門的な技術を施す(施療・施術・施工・・・・・)
この「つくる」「売る」「貸す」「教える」「手伝う」「施す」「もてなす」の中で、
自分の<好きなこと>と<得意なこと>に定めることも、
<自分にとって最適なビジネス>を絞り込む方法なのです。
2007-07-08 Sun
この「つくる」「売る」「貸す」「教える」「手伝う」「施す」「もてなす」という視点から<自分にとっての最適ビジネス>を見つけ出すということを、
<森林活性化ビジネス>を事例にして考えてみましょう。
工場でモノを製造したり、生産することだけでなく、
植物の栽培や、動物の養殖をすることも<つくる>というビジネスです。
植林、育林、造林などは<造る>というビジネスです。
製材、木材加工、木製品の製造なども<造る>というビジネスです。
しかし、そのビジネスが<自分の足下>である、という人は極めて少ないでしょう。
現に、森林に関連する分野で働いている人や、実家が山林を所有しているという人以外にとっては、植林、育林、造林、林道整備という仕事は、
<自分にとっての最適ビジネス>とは言えないでしょう。
しかし、<作る>ということは、植林、育林、造林、管理、伐採、製材だけではありません。
森林に関する地図や模型、写真集、絵画、映画という作品を創ることも
<森林活性化ビジネス>の中での<創る>というビジネスです。
森林の過去現在未来を描いた小説やコミックなどの作品を創ることも
<森林活性化ビジネス>の中では<創る>ビジネスです。
創作物という作品で<森林を活性化する>ことも、
立派な<森林活性化ビジネス>なのです。
いままでの人生では森林との接点が全く無かったという人でも、
「独創的で独自のオリジナル作品を創る」という、
自分の好きなコト、得意なコトで森林と関わっていくことは、
それも<自分の足下>に有るビジネスです。
その「作品を創る」ということが、「迷わずにできる」コトであり、
様々なアイデアが湧いてくるコトであって、なおかつ
「どんなに苦しくても続けていける」コトであれば
それこそが<自分にとって最適なビジネス>なのです。
<森林活性化ビジネス>とは<つくる>ことだけでは有りません。
<売る>コト、<教える>コト、<手伝う>コトも立派な
<森林活性化ビジネス>なのです。
それらの具体例については次回に書きます。
2007-07-08 Sun
<森林活性化ビジネス>には、<売る>ことも有ります。
自分の山林を所有していなくても、原木や材木を自分で生産していなくても、仕入れてきて<売る>ことができます。
木製品や木材加工品を自分で製造できなくても、それを仕入れてきて<売る>ことも<森林活性化ビジネス>です。
森林に関する作品を自分で創ることはできなくても、それを仕入れて、自分で<売る>ことなら得意な人はいるものです。
<売る>ことが好きで、得意な人は、そのことで<森林活性化ビジネス>を自分にとっての<最適ビジネス>にすることができます。
どんなモノを売るにしても<店舗販売>には、店舗が必要です。
店舗を確保するには、起業する前からかなりの資金を必要とします。
その資金は、ビジネスが軌道に乗るか否かが判らない段階から必要になるのです。
しかも、そうやって確保した店舗でも、自分が売りたいモノのすべてを陳列することはできません。
仮に膨大な面積の店舗を確保することができたとしても、その店内に、売るべき商品を並べるにはこれまた膨大な仕入れ資金を必要とします。
その点、インターネットによる販売ならば、店舗という不動産物件は不要です。
インターネットに店舗を開設することは、どこかの大手のショッピングサイトに出店するにしても、毎月の維持は数万円程度で可能です。
自前で独自のwebサイトを開設できるのであれば、そのための費用はほぼゼロみたいなものです。
それでいて自前のwebサイトであれば、展示する商品も種類と数の品揃えはほぼ無限にまで可能なのです。
インターネットで<売る>という方法であれば、材木とか木材加工品どころか、「山林」自体の売買にも介入していけます。
「インターネットで販売をPRする」という方法であれば、「森林の中の有るモノ」すべてが<売買できる商品>になっていきます。
「インターネットで売る」ということなら、ネットショップの運営が好きで得意な人なら、それは<自分にとっての最適ビジネス>です。
もちろん、「インターネットなら何でも簡単に売れる」というものではありません。
既に有るモノを、いままでに無かった方法で<売る>ということが得意な人にとって、<森林活性化ビジネス>も、その人にとって最適なビジネスになっていく可能性はけっして小さくはないでしょう。
2007-07-09 Mon
<森林活性化ビジネス>には、<貸す>ビジネスもあります。
一番判りやすいのは、「森林を貸す」ことですが、これが出来るのは山林所有者に限られています。
しかし、山林所有者から「一括して全山を借りて」、「幾つかに区分して都会の住民に貸す」ということも不可能ではありません。
最近は<樹木葬>ということが知られてきました。
(樹木葬の説明は省略しますのでインターネット検索で調べてみて下さい)
これも、埋めた骨粉が土に同化し、その目印に植えた樹木が生長して枯れるまでの20年~40年の間だけ、その数㎡ほどの場所を<貸す>ことで成立しているビジネスです。
私も樹木葬に賛同していて、自分の死後を奥さんにはお願いしてあります。
この樹木葬ができる場所は、まだ全国に数ヵ所しかありませんので、早く飯能市内にもできることを望んでいます。
<森林活性化ビジネス>には<教える>ビジネスもあります。
別な視点で言えば、<智恵を売る><智恵を貸す>ということです。
森林の重要性や楽しさを教えることも有意義なビジネスです。
森林文化の意味や意義を日本人全員に考えさせていくことも有意義なビジネスになるでしょう。
20年くらい前の古い体験談ですが、私は千葉県の森林の中で「森林であることを活かした楽しい研修」を受講したことがありました。
樹から樹に張り巡らした綱を渡ったり、高い樹からバンジージャンプをしたりして「勇気を養う」というカリキュラムも有りましたが、けっして単なる冒険スクールではありませんでした。
「高い城壁をよじ登っての集団脱走」や、極限状況でのサバイバルも、すべてチーム全員で協力し合って困難を乗り越える、という研修です。
集団の一体化を感動的に体験させる研修でした。
いまの言葉で言えば、「ネイチャースクール」かもしれませんが、これも森林という場所でなければ出来ない研修ビジネスです。
2007-07-09 Mon
<自分にとって最適なビジネス>は何か?
どうすればそれを見つけられるのか?
いつ、どのようなことでそれを確信できるのか?
その答えを自分で導き出すには「どの業種か?」とか「どの業界か?」という視点の他に、
「自分はどのような仕事(作業)をしていきたいのか?」という視点で探していったほうが確実です。
その一つが、前回の【自分に最適なビジネスを!】No.3)で述べた
「つくる」 「売る」 「貸す」 「教える」 「手伝う」 「施す」 「もてなす」
というビジネスの根幹となる<行動>(動作・作業)です。
つまり、「自分はどのような仕事で稼ぎたい(稼げるようになりたい)のか?」
という視点から考えてみればいいのです。
例えば<飲食ビジネス>を事例にして、
<自分にとっての最適ビジネス>を考「えてみましょう。
一口に、<飲食業>とか<飲食店経営>、<飲食ビジネス>と言っても、
その中には、実に多種多様な仕事があります。
<料理ビジネス>という仕事には、
食材を煮たり、焼いたり、揚げたり、蒸したり、炒めたりという調理することがあります。
飲食店を開業してオーナーシェフになるのはこのようなことが好きで得意な人が最適だろうということは誰にでも理解できるでしょう。
その一方で、毎日大量の料理をすること自体は、あまり好きでもないし、得意ではなくても、オリジナルの創作メニューを考え出すことなら大好きで誰にも負けないくらい得意だという人もいます。
こういう人は、飲食店を開業しても意外と長続きしないかもしれません。
なぜなら、こういう人が好きなのは「創作メニューをつくる」(考える)ということが好きで得意なのであって、毎日朝から晩まで料理に専念していることが好きなのではないからです。
とくに「店に縛られる」とか「時間で拘束される」ことが嫌な人は、飲食店を永続させることは難しいでしょう。
しかし、こういう人の中で、全国に何百万人も居る飲食店経営者や調理人に、自分が考えた創作料理を<教える>ことをビジネスにして成功した人もいます。
それは、「創作料理を考え出すこと」「創作料理の作り方」を<教える>ことが、<その人にとって最適なビジネス>だったからです。
中には、「創作料理の本」を書いて(作って)、それを<売る>ことをビジネスにする人もいます。
創作料理のノウハウを「書籍」ではなくDVDにして<売る>ことをビジネスにする人もいます。
同じ<教える>ことでも、料理方法を教えるよりも、飲食店経営のノウハウを教えるほうが、好きで得意だという人もいます。
自分では料理を<つくる>ことも、<教える>こともできないという人でも、
食材にかなり詳しい人の中には、その知識とネットワークを活かして、飲食店の食材の仕入れを<手伝う>ことをビジネスにした人もいます。
その<手伝う>ということをビジネスにして、「飲食店を開業したい」という人を顧客に、その人の新規開店準備のすべてを<手伝う>ことをビジネスにした人もいます。
<飲食業>という視点なら、そのビジネスの成否は作っている(売っている)食品の味と価格と見栄えで決まるのでしょうが、<飲食店>という視点なら、そのビジネスの成否は<もてなす>ことのレベルで決まってしまいます。
<もてなす>ということは、お客さんに「自分の店に居る間、楽しい気分でいてもらう」ように勤めるということです。
ホテルは宿泊や接客で<もてなす>のであり、テーマパークは様々な仕掛けやアトラクションで<もてなす>のです。
<飲食店>の基本は「料理を食べてもらう」ことで<もてなす>のですが、お客が「飲食店に食べに行く」目的はもちろん<食べる>ことですが、多くの飲食店から、<食べに行く店を選ぶ>基準の一つに<その店のもてなし>があります。
飲食店のオーナーによっては<料理をする>ことは人に任せ、自分は厨房ではなく客席(ホール)にいて、来客を<もてなす>ことを楽しんでやっている人もいます。
料理をすること自体は好きでも得意でもない人が、たくさんの飲食店を経営して成功すること人もいるのは、「飲食店の成功のコツはもてなし」だという信念で経営しているからです。
いままで書いてきたことは<飲食業><飲食店経営><飲食ビジネス>という分野でも、
自分の好きなこと、得意なことは何か?という視点に立てば、<自分にとっての最適ビジネス>が判ってくるという事例です。
これを、あなが現在働いている<業界><業種><分野>、従事している担当業務にあてはめて考えてみて下さい。
<自分にとって最適なビジネス>とは、この分野で、ここで、
自分の好きなこと、得意なこと、求められていることを活かすには何があるか?という視点を持てば見えてくるのです。
2007-07-10 Tue
なぜ、あなたは「起業したい」と思っているのでしょうか?
私が担当する起業準備講座ではこのような質問をすることがあります。
その質問に対する受講生の回答は大別すると下記のようになります。
1.いままでの会社を退職した経緯を話す人
2.サラリーマンでは満足できないことを話す人
3.「もっとお金を儲けたい」ということを話す人
4.「とにかく社長になりたかった」ということを話す人
5.「これからの人生を変えたい」ということを話す人
6.自分が手がけたいビジネスの内容を説明しだす人
あなたは、上記1~6のどれに相当するでしょうか?
講座の会場では「同じ受講生同士の目」を意識して、本音を話さずに建て前だけを話す人もいますが、あなたの回答は誰にも知られないのですから、ここは一つ本音をみつめて下さい。
これは、私が起業準備講座を始めた23年前から、受講生に事前に記入してもらう<事前アンケート>で必ず訊いてきた項目の一つです。
乱暴な意見に聞こえるかもしれませんが、
この「回答」から、その人が「本当に起業する人」なのか、それとも「結局は起業できない人」かが判ることがあるのです。
さらには、起業した後、「続けられる人」なのか、「続けられない人」かも判ることがあります。
私は社員研修会社に8年間(27才から35才)ほど勤務していましたが、その時に、
起業の成功要因と失敗要因は、「起業したい」と思うにいたったその人の本当の<動機>の中に潜在している、ということに着眼するようになったのです。
幸い、自分の周囲(同僚・友人・知人)の中には、脱サラして「成功した人」も「失敗した人」も大勢いました。「脱サラするぞ!」と言いながらいっこうに実行しない人」もいたのです。
その人たちを観察し、会話をして、その人の<起業動機>を知るたびに、
<起業動機>と<起業の成功要因・失敗要因>の因果関係の正しさを実感していたのです。
だから、私自身は、この<起業の成功要因・失敗要因>の解説、伝達をビジネスにしようと思って、1985年6月、35才のときに脱サラして、いまの仕事を始めた、というわけです。