2021-10-01 Fri
今回(No.15)からは、9/25付の文化新聞に掲載された<9/17の一般質問>での長谷川市議の質問と新井市長との質疑応答記事から「新井市長の答弁」に「解説」や「ツッコミ」を書いていきます。
文化新聞紙面の画像は<Facebook小久保達>
【<阿須メガソーラー検証委員会>を「検証」する】02に掲載。
<検証委員会の精査と見直し>について
長谷川議員の質問・A
市長は先日の全員協議会で検証組織を立ち上げ、事業を精査すると言った。見直すために精査するということなのか、それとも精査した結果しだいでは、見直すということなのか。
この「検証」「精査」「見直し」の3つの動詞は、新井新市長が、市長選の時から使いだしました。これから飯能では、この言葉の意味が正確に問われることになるでしょう。
私とにとっては「精査」「調査」と「確認」の違いが曖昧です。「検証」と「見直し」の因果関係、もしくは相関関係がよく分かりません。
「見直す」という言葉には「改めるために見直す」という使い方も有れば、「「改めるか否かを決めるために見直す」という意味も有るように思えます。
阿須山中メガソーラーに反対の人たちは、「見直す」ということは、「市有林にメガソーラーを造ることは誤りだった」と見直し、「契約を白紙撤回する」ことだと期待しているでしょう。
しかし、逆に、<阿須山中土地有効活用事業>をこのまま継続したい人たちは、「見直した結果、問題点が無ければこのまま事業は継続されるもの」と期待しているでしょう。
長谷川市議のこの「精査と検証の関係」の質問に対して、新井市長の答弁では触れていませんでした。
それだけでなく、新井市長は公式の場では「検証、精査とは、何をどうするすることなのか」ということについてはまだ一度も説明していません。それぞれ聞いた人の解釈に任せたままだということはここで断言しておきたいと思います。
「精査」の「精」は、精密という意味でしょうが、「査」は、調査と捜査ではその意味合いは異なります。
新井市長の答弁①
市では、飯能市土地開発公社が先行取得した阿須山中の公共用地約17ヘクタールについて、(令和)4年度の土地開発公社の解散に向けて、平成24年度から10年間で約20億円をかけて買い戻しているところ。
市長のこの表現だと「今回、飯能インターナショナルスポーツアカデミー(略称HISA)に貸した市有林は20億円で公社から買い戻した土地なので20億円の資産価値の有る土地だ!」と思う人が多いかもしれませんが、それは正確ではありません。
「土地開発公社を清算するためには、公社が抱えて売れ残っている阿須山中の土地約17ヘクタールと、過去の借金が20億円残ったままだったので、公社を解散させて、公社が抱えている土地を飯能市の所有地にするためには、その20億円の利子の高い借金を、飯能市が県から低い利子で借りたお金で返済しなければならない」ということなのです。だから「阿須山中の市有地の資産価値が20億円だということではない」のです。
新井市長の答弁②
阿須山中土地の利活用方策については、暫定的に自然公園としながらも、買い戻し後10年のうちに検討することとしている中で、有効利用を図るという考えは理解できる。
「なんらかの有効利用を図る」という考えは、私も理解できるし、大いに賛成です。だからと言って「自然豊かな里山の3/4の樹木をわざわざ伐採、伐根して丘陵を切り土と盛り土で地形を大幅に変える土木工事をしてまで、なんらかの施設を造る」ことは間違っていることは大きな声で指摘しなければならないと考えています。
ましてや「20年間で総額2400万円の借地料を市に納める」だけで、「民間サッカースクールがメガソーラー売電事業で20年間で総額45億円以上の売電売上を独占する」というのは「不公平」というよりは「特定の民間業者に対する利益供与」にあたる可能性が極めて大きいものなのです。
これは、「精査」というよりは、警察の「捜査の対象」ですらあるのです。
新井市長の答弁③
事業の進め方として、市民や地元への十分な説明が必要であったのではないかと考えている。今後、事業の検証を行っていく中で、各種内容を確認し、慎重に判断をしていかなければならないと考える。
事業の進め方として問題なのは「十分な説明が無かった」だけではなく、「重要な事実」を隠し、「嘘を付いて」までして工事を進めてきたことも大きな問題なのです。
2020年8月に飯能市が市内全戸に配布した『飯能市からのお知らせ・阿須山中土地有効活用事業について』(A4版8頁約1万1000字)では、地方創生・地位活性化の一般論やHISAを称賛で1万1000字を使いながら「メガソーラー発電所」について記述したのはたった23字だけなのです。
しかも、「サッカー場の付帯設備」と説明しているメガソーラーの面積は、そのサッカー場(1ha)の10倍(10ha)であることについては全く説明もしてないのです。
さらに、そのサッカー場は「調整池の深い底に造られる」ことや、土地の制約から観客スタンドや駐車場だけでなく常設トイレも設置できない貧弱欠陥施設であることも隠蔽されたままなのです。
(2140字)
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2021-10-01 Fri
前回(No.15)に続いて、9/25付の文化新聞に掲載された<9/17の一般質問>での長谷川市議の質問と新井市長との質疑応答記事から「新井市長の答弁」に「解説」や「ツッコミ」を書いていきます。
文化新聞紙面の画像は<Facebook小久保達>
【<阿須メガソーラー検証委員会>を「検証」する】02に掲載。
<「阿須山中(約17ha)の購入目的」の検証>について
長谷川議員の質問・B
事業の検証にあたり、どの期間まで遡るのか。公募をすると決めた段階からか。それとも公有林を活用するか、保全するのかその時まで遡って検証するのか。さらに遡って土地開発公社が取得した目的から検証するのか。
阿須山中でメガソーラー発電所新設を推進してきた当時の大久保市長、上副市長、担当幹部は、「「阿須山中は、将来市の施設を建てるための用地を先行取得した土地だ!」という説明を、公式の場や資料で説明を繰り返してきました。
だから「何かに活用するのが本来の目的であって、自然を保存するために購入したわけではない!」と市民に思わせたかったのです。
確かに、飯能市土地開発公社が、阿須や岩沢地区の共有地を購入した時の目的には「先行取得しておきたい」という土地も在ったのかもしれません。
しかし、阿須山中で今メガソーラー現地になっている土地は、「先行取得した」という、それらの場所からかなり離れています。
しかも、その全域が平地ではなく、丘陵地なのです。
その場所だけは、「将来の施設用地としての先行取得」という目的ではなく、「自然豊かな里山を保全する」という目的が有ったとしたら、飯能市が<阿須山中土地有効活用事業>を始めたこと自体が「間違っていた」ということになります。
そのためにも、公社が阿須山中の土地を購入した当時の「購入目的の確認」は不可欠だから、長谷川議員は「公社が購入した段階まで遡って検証するのか?」と市長に訊いたのでしょう。
ところが、新井市長は、下記のように「そこまで遡っての検証はしない」という答弁だったのです。
新井市長の答弁④
飯能市が土地開発公社に依頼して岩沢・阿須地内の約45ヘクタールを先行取得したのは、昭和51年度から平成4年度にかけてである。
阿須山中を含む岩沢・阿須地内の当時の状況というものがあっての市の判断だと思っている。当時に遡っての検証は考えていない。
その「当時の状況」を確認し、購入目的に「阿須山中は保全するため」という意図の有無を確認するためには、少なくとも、当時の「議会議事録」や「公社の業務記録」を精査することは、検証委員会としては最低限必要な作業なのです。
当時の状況を知る高齢の元市議や元職員が健在なうちに「聴き取り」をすることは欠かせないのです。
新井市長の答弁⑤
先行取得した土地のうち、阿須山中を除く周辺の用地については、既に公社から買い戻しを行い、阿須運動公園、市民体育館、トーベヤンソン・あけぼの子どもの森公園などのスポーツ・リクリエーションゾーン、文教ゾーンとしてとして整備し、市民はもとより市外からも多くの方にご利用頂いている。
それらの場所は「平らな場所が大半だった」ので、そのような用途に転用できたのです。
だからといって、「丘陵地帯である阿須山中に残された貴重な17haをメガソーラー用地にしても構わない」という理由にはならないのです。
新井市長の答弁⑥
一方で、阿須山中の土地については、市議会においても今まで多くの時間をかけて議論を頂いてきた。検証範囲については今後、判断していく。
市職員としての在職期間が長かった新井市長が「市議会においても今まで多くの時間をかけて議論を頂いてきた」という発言を聴くと「あたかも本当に時間をかけて議論してきた」ように思う人が多いものです。
しかし「阿須山中の利用方法を公募する」、その結果、「サッカー場とその10倍の面積のメガソーラーにすることになった」ということは、市議会には「諮られなかった」ことであり、計画が公表されてからの市の説明には「重要な事実の隠蔽」が幾つも有ったのです。
だからこそ、当事者たちを参考人として呼んで「これらのことを訊く」ことは「検証」には不可欠なのです。
「検証範囲については今後、判断していく」との答弁に、現時点で、市民は「期待する」しかありません。
(1787字)
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2021-10-02 Sat
前回(No.15,16)に続いて、9/25付の文化新聞に掲載された<9/17の一般質問>での長谷川市議の質問と新井市長との質疑応答記事から「新井市長の答弁」に「解説」や「ツッコミ」を書いていきます。
文化新聞紙面の画像は<Facebook小久保達>
【<阿須メガソーラー検証委員会>を「検証」する】02に掲載。
<参考人・傍聴・検証期間>について
長谷川議員の質問(C)
検証委員会のメンバーは市職員だけでなく、市民など第3者の参加は必要である。
また、参考人として前市長、前副市長、事業者、協力会社及び関係職員についても事実確認を取ることは必要不可欠。
一般市民の傍聴も可能なのか。また、検証期間はどのくらいか。
この<阿須山中土地有効活用事業>は、大久保さん、上さんが、市長・副市長の時に始めた事業なのですから、その「事業の是非」の検証に、この2人を呼んで「当時の事情」を訊くのは「当然だ!」と思うのですが、新井市長の答弁は下記のように「呼ぶ!」とも「呼ばない!」とも明言しませんでしたね。
新井市長の答弁⑦
検証組織については、私が座長となり、私の方で考えた職員による組織を早い時期に設置して、検証における公平性、透明性はしっかりと守られたものにしたい。
市役所の「事業の是非を検証する」委員会に、市職員だけで行うことに「公平性や透明性は確保できない」のは「世界の共通認識」なのですが・・・・。
まぁ、新井市長もそのことは判っているからこそ「しっかりと守られたものにしたい」という「決意という名の願望を述べた」だけなのでしょう。
新井市長の答弁⑧
防災・自然保護の関係については、事業による影響についてより専門的な知見が必要と思われる内容には、技術顧問制度を活用して専門技術者の助言を受けたい。
その専門技術者の助言と同様に、「公務員の倫理規定の抵触」や「業務上の違法行為」の有無についても、それに関する法律の専門性を有する学者や弁護士の助言も、ぜひ受けて欲しいものです。
新井市長の答弁⑨
傍聴については、確認・検証作業の場となることから考えていない。
これは、前に「鳥居議員への答弁へのツッコミ」でも述べましたが、傍聴者が居ても「確認・検証作業の邪魔になる」ことは無いのだから、それが「市民の傍聴を認めない理由」にはなりません。
「市民を膨張させたくない」ということは、そのことだけで「傍聴されては困る事実が出てくる」ことを想定しているからでしょう。
もっと率直に言えば、「自分たちの検証作業のお粗末さ、本気度の無さ」が「市民に知られたくない」からだとみなされても仕方ないことではないでしょうか。
新井市長の答弁⑩
検証期間は検証組織を設置し、できるだけ早い時期に結論が出せるようにしたい。
以前の答弁では「早ければ年内にでも!」「遅くとも年度内に!」と言っていたのですが、そのような具体的に期日は「言わないことにした」のでしょうね。
(1225字)
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2021-10-03 Sun
前回(No.15,16,17)に続いて、9/25付の文化新聞に掲載された<9/17の一般質問>での長谷川市議の質問と新井市長との質疑応答記事から「新井市長の答弁」に「解説」や「ツッコミ」を書いていきます。
文化新聞紙面の画像は<Facebook小久保達>
【<阿須メガソーラー検証委員会>を「検証」する】02に掲載。
<伐採木売却代金の取り扱い>について
長谷川議員の質問(D1)
6月議会でのやり取りでは、飯能市は伐木の売り払いによって生じる見込みの大幅に上回ったことから、その利益を事業者が負担した伐木等にかかる費用に充てると回答した。
それに対して私は、阿須山中は公有林であり、立木は市民の財産。100%市の収入とするべきと指摘した。
これは「市有林で生育している樹木の全ては市の財産」なので、当然、その樹木を売却した代金」は市の収入(市民の共有財産)とすべきです。その「売却代金として得た現金の取り扱い」の問題をH瀬川議員は訊いています。
(D2)その私の意見に対して、新井企画部長は売却収入以上に立木の撤去、搬出費用がかかることから我々としては、その売り上げ代金については相手側に委ねるという形の措置を取らせて頂いたので、飯能市の収入になることではないので誤解のないようお願いしたいと回答した。
実は、この「市有林を伐採して売却した代金」を、「市の収入」にしないで、「メガソーラー事業者(HISA)の樹木伐採と搬出費用に充てるのを認め、「市民の貴重な共有財産」を、市職員が勝手に業者に使わせることは、厳密にいえば「横領」「横流し」とみなすべきことなのです。これは市民としては決して見逃してはならない行為なのです。
(D3)そもそもメガソーラー事業は、山の木を伐って搬出しないことにはできない。伐採木の売却先、売却代金も市は把握していないとのことだが、飯能市はことあるごとに月10万円で土地を貸すだけと言っていた。
この阿須山中土地有効活用事業を始めた大久保前市長は「いままで1円も生まなかった負の遺産である阿須山中の市有林が月10万円でも確実な収入になるのだ」と各所で自慢していたが、「数千万円にもなるかもしれない市有林」の売却を依頼した民間事業者からその代金を回収しないで、「事業者も作業費がかかったのでそれに充当させた」というトンデモナイ一件なのです。
(D4)事業者の伐採費用に飯能市の売却代金を当てるのは、明らかに間違っている。事業者が交わした伐採木の売却代金の扱いは、詳しい検証が必要と考えるが、市長いかがか。
新井市長の答弁⑪
伐採木の一本一本まで、私は市民共有の財産であると認識している。
職員からはこの事業の実施にあたり、事業地内の立木を伐採することについて市ではこの伐採工事に係る全体の規模感を事前に見極めるため、予め伐採から搬出までの経費と原木を売却した際の金額を精査し、木材関係者、林業に精通している方々にもその樹種、数量等を考慮に入れた意見等をお伺いしながら木材売却代金と搬出費用を比較した時、搬出費用の方が上回ることが分かり、事業者に伐採工事を委ねる方が」市として得策と判断し、伐採木を処分したと報告を受けている。
「報告を受けている」という答弁は、「売却代金を業者から回収しないことに私(新井市長)は同意している訳ではない」という意味にも取れますが、「同意していない」という意味にもなります。これが公務員特有の見え減を避ける言い回し」です。
新井市長の答弁⑫
しかし、お質しの伐採木の取り扱いについては6月議会において、(長谷川)議員の一般質問を始め、一部の市民の方からもお問い合わせを頂いていることもあり、検証を行う組織において、この辺についても改めて確認を行うべきものと考えている。
その「検証の相手・内容・範囲」が重要です。
少なくとも「HISAから伐採作業を請け負った業者名」「阿須山中から伐採木を購入業者まで運搬した業者名」「伐採木を購入した業者名・購入した日時とその金額、購入総額」「購入代金の振込先口座名」は最低限精査すべきでしょう。
新井市長の答弁⑬
本件に限らず、検証の内容、結果については議員の皆様を始め、市民の皆様にご報告する機会を設けたいと考えているので、見解についてはしばらくお待ち頂きたい。
「しばらくお待ちください」とのことですが、この検証委員会が「問題をウヤムヤにするための時間稼ぎの隠れ蓑」ではないことを私(小久保)は願っています。
(No.19に続く)
(1822字)
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2021-10-04 Mon
今回は、10/1付の文化新聞に掲載された<9/21の一般質問>での大津市議の質問と新井市長との質疑応答記事から「新井市長の答弁」に「解説」や「ツッコミ」を書いていきます。
文化新聞紙面の画像は<Facebook小久保達>
【<阿須メガソーラー検証委員会>を「検証」する】03に掲載。
<新市長自身の賛否を問う質問に対する答弁>について
大津議員の質問・A
市長は、選挙時に阿須山中土地有効活用事業について検証し、場合によっては見直しもとおっしゃっていたので、この検証をするために委員会を設置するために委員会を設置するのだと思う。そこで、市民の関心として、そもそも新井市長はこの阿須山中土地有効活用事業に賛成なのか、反対なのか、どちらなのかという声があるのでお尋ねする。
大津議員は、新井市長個人の意見として「阿須山中土地有効活用事業に賛成なのか?反対なのか?」を訊いているのに、新井市長は、その質問を無視して「自分の意見としての賛否」は言わずに、「疑問や不安を感じている市民がいるから検証する必要が有る」というのが「私の考えだ」と述べます。
新井市長の答弁①
阿須山中土地有効活用事業だが、未だ疑問や不安を感じている市民の方がいるのは事実。そのような市民の声があることから検証する必要があると、私は考えている。
普通は「前市長が始めた事業に新市長が反対だった(あるいは不信を感じていた)から、自らが座長になって検証委員会を設置する」ものです。
ところが新井市長は、「市議から議会で自分の賛否を直に」訊かれていながら、その質問には答えずに、「市民の要望だったから検証委員会を設置する」という答弁ではぐらかしたのです。
一般論ですが、この論法は「やるつもりの無いことを、さもやる気が有るかのように思わせる」ための常套手段なのです。
私(小久保)の予想では、新井市長の検証委員会の結論は「細かな修正はしなければならないが、事業者(HISA)によるメガソーラー売電事業とサッカースクール専用グランド稼働は計画通りスタートさせることに特に問題は無いことが明らかになった」という内容になるだろうと思います。
(919字)
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2021-10-05 Tue
前回(No.19)に続いて、10/1付の文化新聞に掲載された<9/21の一般質問>での大津市議の質問と新井市長との質疑応答記事から「新井市長の答弁」に「解説」や「ツッコミ」を書いていきます。
文化新聞紙面の画像は,載せられなくなりました。
市議会サイト<会議録検索システム>をご覧ください。
(9月の一般質問の質疑はまだ掲載されていません)
<住民への説明の検証>について
新井市長の答弁②
市では、飯能市土地開発公社先行取得とした阿須山中の公共用地約17ヘクタールについて、令和4年度の土地開発公社の解散に向け、平成24年度からの10年間で、約20億円をかけて買い戻しているところ。
つまり、この阿須山中は、「民有地を買い上げた目的と経過」、「買い上げた公社の存続期間」「公社と飯能市との土地の所有権の取り扱い」「公社解散に伴う残務負債の清算」「公社の残務負債を市が県からの借金で返済する経緯」「公社と飯能市との土地の所有権の取り扱い」等の問題が、長期的に複雑に絡み合った市有林だということを、まず「歴史として認識する」ことは不可欠でしょう。
新井市長の答弁③
阿須山中公共用地の利活用については、暫定的に自然公園としながらも買い戻しの10年間のうちに検討することとしている中で、有効活用を図るという考えは理解できるところである。
この「阿須山中の市有林の有効活用を図る」ことが必要ということ自体は、私も理解できるし、基本的には賛成です。
しかし、「自然豊かな里山」であり、長年そのまま保全してきた市有林であることから、その有効活用策には、「樹木を伐採し、地形を変更する土木工事」に関しては、面積的な制限を設定したうえで考えるべきことだったと思っている市民は多いのです。
新井市長の答弁④
しかし、大きな事業となることから私の基本姿勢としている「市民との対話」。事業を開始する前には、内容をしっかり説明した上で、事業を進めていくべきと考える。事業の進め方として、市民や地元への十分な説明が必要であったのではないかと考える。
私はこれも同感です。しかし、阿須山中で問題になっている「住民への説明」には、「説明会の開催回数や参加者の内訳、人数」「その説明会で説明された内容」だけでなく、「説明されなかった重要な事実」や「嘘の説明」の有無やその実態の説明も含まれているのです。
大津議員の質問・B
疑問や不安を感じる市民の声とあるが、問題点があるとしたらどんな点か。
新井市長の答弁⑤
阿須山中土地有効活用事業に関する説明会だが、令和元年に事業者により地元自治会役員、地域住民の方を対象に開催された。
「説明会が開催された」からといってそれが「住民への十分な説明なされた」証拠にはなりません。
たとえば「地元自治会役員」という言葉も、それは「自治会の役員も出席した」のではなく「地元役員しか呼ばなかった(参加させなかった)説明会」だっとすれば、「十分な説明をした」ことにはなりません。「地域住民の方を対象に開催された」と言っても、「極めて少人数だった」としたら、それも「十分な説明」を行ったことにはなりません。
そもそも、阿須山中の市有林は市民全体の共有財産なのだから、その説明会参加の呼び掛け」は「市民全体に対して行われるべきだった」のですが、それは実行されていないようなのです。
新井市長の答弁⑥
令和2年には林地開発行為について許可がされたことに伴い、事業者、工事請負者、市により地元説明会が開催されたが、大規模な事業となることから、早い時期に地域の皆様に事業概要等の説明の場が必要であったのではないかと考えている。また防災と自然保護の関係についても、その影響ということを考慮しなければならないと考えていることから、そのようなことについて検証してまいりたい。
その検証の対象や内容に関しては、下記の事項も当然加わっていると思います。
(1)面積の3/4の伐採伐根と地形の大幅な変形土木工事と唐沢川洪水被害のリスクとの因果関係
(2)唐沢川の防災工事に要する工事経費の賃貸借契約期間20年間での想定総額と、そのうちの事業者負担の案分。
(3)自然保護のために移植した希少植物の移植先の保全状態の確認と今後の保護対策
上記3項目の有無については今後、確認していきたいと思っています。
(No.21へ続く)
(1738字)
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2021-10-06 Wed
★2021年市長選どうする・どうなる★⇒【新井新市長を「どうする」か?】No.21 大津市議の質問(9.21)への新井市長答弁(その3)「検証委員会への市民委員拒否」へのツッコミと解説です。(その3)
前回(No.19,20)に続いて、10/1付の文化新聞に掲載された<9/21の一般質問>での大津市議の質問と新井市長との質疑応答記事から「新井市長の答弁」に「解説」や「ツッコミ」を書いていきます。
文化新聞紙面の画像は,載せられなくなりました。
市議会サイト<会議録検索システム>をご覧ください。
(9月の一般質問の質疑はまだ掲載されていません)
<検証委員会への市民委員拒否>について
検証委員会のメンバー構成に関する答弁は、前掲の鳥居議員、長谷川議員への答弁と同じなので省略。
大津議員の質問・C
(検証委員会の)この委員だが、市職員だけ、技術顧問だけということだが、私はここに市民を一人でも入れた方が良いと思う。一連の流れの中で、飯能市行政に対する不信感を持っている方が増えてきている。このことは、市において大きなマイナス。
市民が市政に対して抱いているのは「不安」ではなく「不信」だということをはっきり公言されましたが、これは私も同感です。新井市長にこの「市民の不信」という認識が有るかどうかが私には「疑問」なのです。(不安とか不信とかではなく)
しかし、その市民委員が「一人でも」というのは、要望や提案としては消極すぎます。
せめて「反対意見の市民」「賛成意見の市民」「条件次第の市民」の3人以上は最低限必要です。
できれば「市内のサッカー関係者での反対意見の人」と「賛成意見の人」もぜひ加えるべきではないでしょうか。
さらに「市内山間部でのメガソーラー発電」に賛成の市民と反対の市民も加えて欲しいと私は思っています。
大津議員の質問・D
そのためには、市民に意見をお願いする公募枠を設けたらと思うがいかがか。
新井市長の答弁⑦
(検証委員会は市長、市職員、技術顧問制度の活用で公平性や公正守られていると従来の答弁を繰り返した上で)一般市民の方に加わっていただくということだが、行政文書の開示の関係もあるので、私は現在の市職員で構成したい。
つまり「行政文書は市民には開示したくない!」「検証委員会委員として公募で選ばれた市民であっても開示しない!」ことを「当然だ」と思うことが、一般市民の感覚とずれている「自治体職員の典型的な体質だ」という自覚は新井市長には無いようです。やはり市職員と市議一期しか経験の無さが露呈しています。
(No.22へ続く)
(993字)
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2021-10-07 Thu
前回(No.19,20,21)に続いて、10/1付の文化新聞に掲載された<9/21の一般質問>での大津市議の質問と新井市長との質疑応答記事から「新井市長の答弁」に「解説」や「ツッコミ」を書いていきます。
文化新聞紙面の画像は,載せられなくなりました。
市議会サイト<会議録検索システム>をご覧ください。
(9月の一般質問の質疑はまだ掲載されていません)
<検証委員会の調査内容>について
大津議員の質問・E
肝心の調査内容だが、現在どのようなことを考えているのか?
新井市長の答弁⑧
私の指示のもと、本事業の流れを書類等で確認するとともに、防災面等では技術者の助言を加えて確認していく。
つまり「書類等の確認だけ」で、前市長、前副市長、事業者であるHISA、元請けの大和リースなどの「当事者達を参考人として呼んで直に訊く」ということは全く考えていないことを、ここでも重ねて強調しているわけです。
新井市長の答弁⑨
それとともに、年間120万円の土地賃借料についても市民から疑問の声を聞いているので、この金額についても確認する。
市民の疑問は「土地賃貸料の金額の大小」等は「枝葉末節な些細なこと」で、幹である本当の疑問は、「森林文化都市飯能が、市有林の3/4を破壊してサッカー場とメガソーラー発電所を造る」ことが、どうして「土地有効活用策公募の最優秀として認定したのか」ということなのです。
飯能インターナショナルスポーツアカデミー(HISA)という民間事業者が「定額の借地料を市に支払うだけで20年間で45~60億円にもなる売電売上を独占することを認めた」ことに対する疑問であり、不信なのですが、そのことまで深く精査する気は新井市長には無いようです。
大津議員の質問・F1
市民の公募枠が設けられないというのであれば、せめてこういったことを調べてほしいというような調査内容を市民から受け付けてもらえたらと思う。
私も「検証委員会に精査して欲しい項目」の一部は、既に当ブログに書き込んでいます。
検証委員会が精査項目を公表してから、そこに致命的な欠落点が有った場合は、それを指摘して、「私が必要不可欠と思っている精査項目の全て」を公開することに決めています。
なので今から、その「市の検証委員会の精査項目を知る」のが楽しみです。
つまり、<検証委員会が設定した検査項目>と、<絶対に欠かしてはならない精査項>目を、比較対照することで「検証委員会のやったふり検証」を徹底的に追及していく予定だからです。
(No..23に続く)
(1055字)
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2021-10-07 Thu
前回(No.19~22)に続いて、10/1付の文化新聞に掲載された<9/21の一般質問>での大津市議の質問と新井市長との質疑応答記事から「新井市長の答弁」に「解説」や「ツッコミ」を書いていきます。
文化新聞紙面の画像は,載せられなくなりました。
市議会サイト<会議録検索システム>をご覧ください。
(9月の一般質問の質疑はまだ掲載されていません)
<市議の癒着疑惑解明と検証期間>について
大津議員の質問・F2
市民の方の中にはこの事業を反対していない議員は事業者と癒着し、甘い汁を吸っているのではないかという疑問をSNS等で発信している方もいるので、・・・
はい。私(小久保)もその一人です。「癒着の甘い汁」は、金銭だけとは限りません。「金銭に代わるもの」や「金銭以上の価値のあるもの」「特別な待遇の提供」「有利な情報の提供」「お目こぼし」など様々な種類があります。
だから「検証委員会の目的は行政手続きの不備不手際の有無の解明だけ」で終わらせず、「行政の不正、背信背任疑惑の徹底解明」までやるべきだと主張しているのです。
大津議員の質問・F3
・・・そういった疑問にも答えていただけるようお願いする。
新井市長の検証委員会の報告が不十分で、「甘い汁を吸っているという市民の疑いが益々晴れない」場合は、そういう市議さん達の疑惑を払拭させるためにも、市議会で法的強制力を持った特別調査委員会(いわゆる百条委員会)を設置して、徹底的な調査と参考人への尋問をして欲しいと願っています。
大津議員の質問・F4
市民から事前に調査内容を受け付けるということは、新井市長が掲げる「市民との対話重視の市政運営」にも合致すると思うのでぜひご一考頂きたい。
新井市長の答弁⑩
上記「市民から事前に調査内容を受け付けて欲しい」という大津議員の要望に対する答弁は「文化新聞紙面」には記述されていませんでした。
検証組織を早い時期に設置し、できるだけ早い時期にまとめていきたい。また、報告、説明についてもなるべく早い時期に行いたい。
「早い時期」といっても、阿須山中の現地は、もう既に17ヘクタールの3/4の樹木が伐採伐根されて、「北斜面を平坦化する切り土と盛り土」によって大幅に地形変更されてしまっているのです。
しかも、「サッカー場を兼ねる専用調整池」をはじめとする防災施設の完成までは「工事を中断させない」との決定を市は公表しているのです。
検証委員会が、検証する対象は「調整池の防災機能の確認」「サッカー場の完成状況」「メガソーラー発電の稼働状況」「関係者間の売電売上金の流れ」等の確認も含まれているべきです・。
そのため検証期間は、少なくても「全工事が完成」する2022年夏以降、「サッカー場とメガソーラーの稼働状況確認」のため、今から丸1年はかけるべきでしょう。
もちろん、その報告や説明が「納得できる内容ではなかった」場合は、第2次検証委員会か、市議会の百条委員会が設置されることを求めていくになるでしょうね。
(1173字)
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2021-10-08 Fri
今回は、10/5付の文化新聞に掲載された<9/22の一般質問>での野田市議の質問と新井市長との質疑応答記事から「新井市長の答弁」に「解説」や「ツッコミ」を書いていきます。
文化新聞紙面の画像は,載せられなくなりました。
市議会サイト<会議録検索システム>をご覧ください。
(9月の一般質問の質疑はまだ掲載されていません)
<岩沢共有地の経緯>について
野田議員の質問・A
岩沢共有地と阿須山中について。このことについて今までの議会でのやりとり、関係者からの聞き取りなど私なりに調べた。私は何故、ここに共有地を入れたかというと、阿須山中の原点、そして歴史をぜひ議員の皆様に知っていただきたいから。
メガソーラー賛成市議は、いつもこの「岩沢共有地の購入」の話から始めます。
なぜなら「この土地は将来、市が何らかの公共施設を造るために購入したのだから、最後に残った阿須山中も施設を造るために森林伐採をするのは当初の計画通りだ!」という「論理構造で押し通す」つもりだからです。
野田議員の質問・B
現在の議員の中で、このことについて最初から良く知っているのは残念ながら私1人となってしまった。
この発言は「だから俺のいうことを聞け!」と言っているわけです。
確かに「現職市議の中では私一人」なのですが、元市議で健在の人は、宮内さん、佐野さん、小宮山さん、柏木さんも居ます。この方々の記憶も尋ねて参照してみることは必要でしょう。
野田議員の質問・C
阿須山中とは場所こそ阿須地区だが、もともと所有者は岩沢地区にお住まいの116人が共有しており、岩沢共有地と呼ばれていた。岩沢共有地は、阿須山中、阿須要害沢、岩沢字河原、岩沢字中河原の4箇所の土地だったが、116人もの方が共有していた土地でもあるので、その土地の利活用、運用についてはさまざまな利害関係が生じるなど、難しい問題があったようだ。
「難しい問題があった」から、利用価値の高い平坦部の地域だけでなく、丘陵地帯の阿須山中も「全体から切り離さずにまとめて購入することにした」のでしょう。
この辺の事情は、元市議さんだけではなく、当時のことを知る住民にも確認する必要があります。
もちろん、その前に、「当時の議会議事録」と「土地開発公社の記録」も精査することが不可欠です。
(963字)
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