2003年4月20日(日)に投稿された作品  計8首
子どものくせに
親を悲しませたくないなんて
悲しすぎる
子どもらしく生きられる
平和が欲しい
        木の花 
数字はときおり
残酷
死者1000人
という記事に
ひとりひとりの死を思う
         一川
あの子は
お父さんを失った
あの女性は
子どもを失った
哀しみだけが残った
       木の花
戦争とカジノ好きを
知事に選ぶ
都民の感覚
子供の未来は
眼中にない
       のびた
うちの猫だって
喧嘩の仕方ぐらい
知ってる
武器はもたない
命はとらない
     まき
相手の母国語は
挨拶しか知らないけど
通じて 笑い合って 嬉しい
手元でちょっとずつ
世界を繋いでいきたい
          みつき
血の河の流れに
怯える夜はないのだろうか
ないのだろう
直接手を下したわけでは
ないのだからな
         稲本 英
無力であると
気付いたときから
優しい
気持ちに
近づいてゆく
     おがわまり

           ↓ 下記はすべて 叶 静游 さんがメールで4月20日に投稿された五行歌です。(計59首)
『父のかたき』
討ちに
暗い雰囲気づくり
無辜の子らの
いのちが軽い
1648年の
ウエストファリア条約が
無視される
なんでも力で変える
「ならず者国家」とは
チグリスよ
ユーフラテスよ
メディアをこえ
君たちが知っている
真実(まこと)を伝えよ
ミサイル破裂音の
ニューズで明ける
朝が
実に憂鬱だ
思いが干々に乱れる
よう懲の名で
大義のない
火花が散る
民衆の血潮が
飛沫(しぶき)となる
レ・カオ・ダイ博士逝く
米軍の犯罪
ダイオキシン・枯葉剤の
痛みを追い続けた医師
有事法に焦燥感が深い
  
           
安心立命の
宗教が
争いを生む憐れ
生の尊厳を
問い直すことだ
一滴の
水に泣く
母子(おやこ)を抱(いだ)けぬ
国家とは
勧善懲悪の
思想が
平和を
乱している
俗世のひずみ
危機が
あおり
作られている
冷静に見る
心が眠らされている
巨大な
宣伝機構に
麻痺させられる
独裁も石油資本も
隣り合わせに在る
脅威には
先制でと言う。
世界の秩序は
大きな節目だ
国益とは何
緊迫と
混乱の
地と時に
人は動く
栄枯盛衰の跡
権力の
善悪をこえて
何にも増して
尊い
人の命が問われる
権力闘争は
どこでも
いつでも
真の主権者を
蔑ろにする
原理が
原理に
敵対し
思いが
しずむ
誤爆という
一言で
新婚の夢が破られる
生命を軽く見る
独善者の罪は重い
誤爆の
一言で
済まされるほど
生命は軽くない
新婚の夢も破られる
国家の利益とは

人間の利益こそ

求められる最高のもの
国際社会は
弱肉強食を
許さない
法を大切にする
空間なのだ
国連に
査察か攻撃か
言の葉が飛び交う
「人間の安全保障」を
こそ構築せよ
今日も
春愁に
しずむ
大切な
人の死
最強の国が
いつしか
覇権を失い消えている
多様化こそ
歴史の道なのだ
残酷に
奪れる
無辜の
子らの
いくさ
脂ぎった
脂商人の
代理人が
我が通らぬと
脅しつづける
社会の闇に埋もれた
不条理や人権侵害を
生活の場で
掘り起こす
理屈抜きに憤る
銃撃や破壊を
血や死体を
日々見る
心が荒み
笑いが消えている
勝ち負けではない
力で
人権を
損なうことが
不条理なのだ
新たな
出発だ
新しい
価値の
胎動だ
新聞が
修羅の
花嵐に
すさぶ
暗い朝
真実の
報道を
標的に
攻める
愚劣さ
世界に
貧困が拡がっている
15億人もが
一杯のきれいな水を
手に出来ない
世界のアチコチで
三大宗教の始祖の
二千年間の夢が消え
求心力を失い
戦争の危機が芽生えている
世論は
愚かか
隠蔽は
知か
誘導を暴く
正義が
あると
誰れも
思わぬ
いくさ
正義とは
独り善がりの
ものでない
独り善がりは
先制攻撃の道に
戦争
飢餓
無知
などなど
どれも平和をけがす
戦争は
人間の
愚さの
現れだ
黒い空
地球儀が
悲しそうに
話しかけてくる
飢餓の痛みが
深刻だ
中東紛争は
「死者の復讐」に怯える
水の争奪だ
世界各地で一触即発だ
水の世紀が病んでいる
帝国の
野望を
現わす
無恥な
殺戮だ
帝国の末路を
史的に探る
いま
新しい帝国の昂ぶりを
止めるにはーーー
同じ重さで
つくられた命が
危機の淵にある
新しい憎しみの根を
残したくない
悲劇の
はじまりは
油の
争奪に
因(もと)がある
悲劇は
いつも
民衆の
頭上に
重なる
悲劇を
覆い
真実を
隠す
正義とは
貧困に
生命(いのち)を
左右される乳幼児に
大国の
非情が重なる
       
貧富の
格差は
不条理
妥協だ
交渉だ
文明発祥の地の子よ
必至に生きるのだ
生きていれば
チャンスがある
宇宙に生きるのだ
謀略で
正義を装う
野望と
欲望が
交錯する
謀略で
正義を装う
所詮
野望は
醜い
    
謀略に
惑わされない
賢明さが
正確な
歴史をきざむ
謀略を
策略と
言ってみても
野望と欲望の
交錯に過ぎない
万物共生の
世に
愚かにも
人命強奪の
争いが仕組まれる
未成熟を
省みず
唯一絶対と
思い込む
民主主義が危い
民主的に決めると言う
大統領に
人間の顔が見えない
真の世界最強ならば
軍事力を使わぬもの
滅んでいく
世紀なのだろうか
歴史は繰り返すのか
大転換するのか
あさはかな指導者達よ
黙殺の
理性が
ひそみ
世紀が
ひずむ
理由もなく
両手を
奪われた子
復興支援の名で
済まされるのか