2003年9月1日(月)〜9月10日(水)に投稿された作品  計50首

私は
ボタンを押しただけ
殺した人々を
見ていない と
焼夷弾投下米兵の証言

のびた
2003/09/01
偉大な奉仕者を
死に追いやった
原因は
米大統領の愚かな
所業にはじまる

叶 静游
2003/09/01
身勝手な
超大国の単一行動が
平和と共生の要の
国連までも
危機に立たせる

叶 静游
2003/09/01
戦争は
嘘の果実だ
いつも
真実が
犠牲になる

叶 静游
2003/09/01
戦争も国境も
なければ
敵ではなく
最愛の友人として
出会えたはず


睡蓮
2003/09/01
存在は小さくても
不可欠な微量要素
多数決の原理で
小さきものを切り捨てない
県政を望む


木の花
2003/09/01
平成に
平静な心が
帰らず
混濁の流れが
やまない


叶 静游
2003/09/02
『戦争が平和だ』との
主張を
真髄まで掘り下げる
核を過信する者の
思考の愚かさ


叶 静游
2003/09/02
どの国の
童謡も
和みがある
荒廃と怨みをこえ
平和のため歌い広める


叶 静游
2003/09/02
猛暑に死ぬ
劣化ウランに死ぬ
自殺が激増する
犠牲は
みな無辜の民だ


叶 静游
2003/09/02
憎めと言われ
憎まされ
讃えよと言われ
讃えさせられ
真実と自由を知らぬ国


睡蓮
2003/09/02
科学者や政治家は
自分のためを
いっさい止めて
私たちは
互いのためが丁度良い


木の花
2003/09/02
実行できない
大きなことより
実行できる
小さなこと
もちろん後者の道


木の花
2003/09/02
最新兵器で
弱小国を
叩き潰して
ほくそ笑むのは
真に野蛮な国


のびた
2003/09/03
アメリカが正義だ
みたいな論理で
世界中に
火種を撒き散らす
それがことの始まりだ


のびた
2003/09/03
声は 叫びは
土深く
埋もれたまま
君が掘り起こして
野に放て


のびた
2003/09/03
見せびらかすだけの
日の丸軍隊なんて
みっともないから
早く
引き揚げなさい


のびた
2003/09/03
忍耐して
待ち望めば
その先には
必ず
平和がある


木の花
2003/09/03
昭和18年生まれの赤ちゃんは
ないないづくし
ミルクがない
写真がない
元気がない


木の花
2003/09/04
戦争になって
初めて知る
平和の値打ち
では
遅すぎる


のびた
2003/09/05
争うため
憎むため
そんなものの為に
命が
在るのでは無い


睡蓮
2003/09/05
核使用は
大型も小型も
一切No!
米軍使用の劣化ウランか
イラク駐留米兵に謎の病気


木の花
2003/09/05
敗戦前の私の2年間
聞くことも
語ることもなく
空白を残したまま両親は逝った
私の穴は今も塞がらない


木の花
2003/09/05
時間をかけた
思想動員で
人殺し戦争を
ゲームと楽しむ
人々がいる


のびた
2003/09/06
身体を
鍛えるのは
戦に備えるため
そんな風潮が
今もどこかにある


のびた
2003/09/06
アメリカは
ベトナム戦争の過ちが
わからないのか
ドクさんが
日本で訴える


亜州好漢
2003/09/06
同じ過ちを
何度も繰り返す
人間は
最も愚かな
生物かもしれない


亜州好漢
2003/09/06
戦争により
殺されているのは
人間だけと思うな
犬や猫
思い出や人の心までも


睡蓮
2003/09/06
食べ物少なく
母は江古田に
買い出し
洗足池あたりも
警戒警報


木の花
2003/09/06
「まだ戦争中」と
ブッシュ大統領
終わりが分からなくなった
かくれんぼに似て
一人続けたがっている


木の花
2003/09/06
日本劣勢をひた隠し
進軍ラッパ吹き続ける中
三月十五日の東京大空襲
新宿は焼け、洗足も危なくなり
四月に疎開


木の花
2003/09/07
清里の
診療所に
心よせ
通り過ぎつつ
友思う


いけみちこ
2003/09/08
「戦争を知らない」
と言う事は
倖せなのか
回答を得るため
勉強し五行歌を詠う


睡蓮
2003/09/08
疎開から敗戦までは
四ヶ月とちょっと
焼け残った我が家には
焼け出された人々
数多住み込む

木の花
2003/09/08
中気の祖母と手伝い残し
東京の家後にしたのは
洗足池の桜の季節
ついに来た
我が家の疎開生活

木の花
2003/09/08
海軍航空隊
十七歳の少年は
この地で
厳しい訓練に
耐えた


いけみちこ
2003/09/09
電灯の灯りを消すように
何の感情も無く
原爆のスイッチを押したとは
思いたくはない
同じ人間として


睡蓮
2003/09/09
『五行歌』本誌が届きました
”ピースのバラを愛した君へ”
バラづくしの追悼記事
一世一代のこと
やってしまいました

木の花
2003/09/09
わたしは2歳の女の子だった
疎開したときのこと
何にも覚えていないけど
きっと、泣きも笑いもしない
女の子だった

木の花
2003/09/09
アメリカ人
ホームステイに
難色理由
戦争でした
受け入れてよかった


いけみちこ
2003/09/10
戦争しない
軍備はいらない
だけでどんなに
生活がよくなったか
忘れてはなるまい


のびた
2003/09/10
踏切の色は
阪神優勝の
パレード列車が
通るかと思う
黄色と黒の縞模様


亜州好漢
2003/09/10
「嘘をつかない」
というルールを
守れないでいる人たちが
「公約」を軽く口にするのが
滑稽でならない


睡蓮
2003/09/10
敵の目を欺くため
板作りの飛行機並べた
嘘のような本当の話
霞ヶ浦の予科練近くが
最初の疎開先


木の花
2003/09/10
母の胎で
羊水に守られている命
この時からすでに
耳を働かせて
音を聞いている


木の花
2003/09/10
出産は生命のスタートではない
生命は
母の胎ですでに始まっている
引退牧師の話が
天の声のように蘇る


木の花
2003/09/10