『平和を願う五行歌』  唯沢 遥 18首 「言の葉遊戯」     『平和を願う五行歌』TOPに戻る
有事法より
有事を無くす
努力が欲しい
たくましく咲く
野花のように


2003/06/08
殉教といい
戦地に赴く
人々よ
それが罪とは
なぜならない


唯沢 遥
2003/07/01
自由を制限されていた
戦争が
それを取り戻したという
略奪という
浅ましさとともに
満面に黄の菜の花畑
放置された戦車で
遊ぶ子ら
奪われた命の数は
きっと知らない
爆音に
許しを請うた
人も
いただろう
誰知らずとも
   
信念の名のもとに
破壊し
復興する
おろかで悲しい
戦争という事情


唯沢 遥
2003/05/30
宗教が
意地を張らせるなら
なくなってしまえばいい
救いとなれず
争いになるならば
人は皆
わがままだ
無理して通す
道理ゆえの
命の儚さよ
戦火が町を襲い
在るべき人が
消えて行く
それもまた
謂れなき災いか
結局は
強さを主張
したいのか
同じ目線で生きる
人だと忘れて
かの国は
生き延びた安堵で
朝日を拝むのか
それはとても
悲しい光景だ
「人間の盾」
そして
「捕虜」の報道
人も道具になる
それが戦争
家族からの手紙に
郷愁の念をもらす兵士
立ち上がる爆炎に
不安げな民間人
誰がそれを望むのだ
力なき
正義が正義と
なるような
世界を
いつも望みたい
見上げれば
境目のない空
そこにくぎりはないものを
なぜつけられる
人の心のくぎりは
   
奇跡を望める
ものならば
風の浄化で
平和を愛する
心を皆に!
  
光が炸裂する
大地に流れる血も
引き裂かれる心も
高みにいる人のもの
ではない
      
油井に上がる
高温の炎よ
かなうなら
灯火となり
人心の光明に