『平和を願う五行歌』 叶 静游  166首      『平和を願う五行歌』TOPに戻る

惨殺された遺影に
君の思いを
引き継ぐと言う
要人の弔問は
場当たりの口上だ

2003/12/22
専守防衛の
自衛隊員に
死への道を
歩ませる
国益という空疎な名で

2003/12/23
   
死の淵がある
国益という作文に
惑い悩みを重ねる兵
平和の58年間を
反古にする道に発つ

2003/12/13
真相を
隠す
目先の打算に
国の
盛衰がかかる

2003/12/14
あの歴史の過ちは
自分の罪ではないが
自分の中に澱のように
沈んだ怒りと屈辱を
償うのは今の自分だ

2003/12/22
お追従笑いに
嫌気がさす
この人に
委ねた国の
あすを愁う

2003/12/22

テレビ写りを意識し
弁論大会を真似て
派兵を弁ずる首相
死を鴻毛の軽きにおく
追随するものの悲劇

2003/12/10
落葉に
心が冷えるとき
派兵を伝える
冷酷さ
火の車がひた走る

2003/12/10
戦争は
突然起りはしない
過去・現在・未来と
繋がるものを見抜き
過ちを繰り返さない

2003/12/11

思想は多様でも
戦争に頼るのは誤りだ
戦争を避けなければ
戦争が人間を滅ぼす
構想力を豊かにしよう

2003/12/12
誇り高い
文化は
防衛に貢献する
野蛮な攻撃は
必ず怯む


2003/12/01
イラク問題で
日本に悲劇が生ずると
誰もが思っていた
行かせた人の罪は重い
死を我が事と思わねば


2003/12/10
世間体を
秤にするな
他者の生命を
蔑ろにして
何を慮るのか


2003/12/10
巨悪が
帝国か覇権かと
正義を装う
アテネの手法が続く
愚かなことだ


2003/12/10
ジェスチャーや
歯切れのよさで
支持率を保ち
政道をきめる悲劇は
民族衰退の一里塚


2003/11/07

マニフェストよ
日本は
どんな国際秩序を
目指すのか
ビジョンを見たいのだ


2003/11/07

肯定もしない
否定もしない
判る筈が無いと言う
夢遊病のような
治世に平和はない


2003/11/30
『戦争は運命ではなく
 人類の敗北である』
教皇ヨハネ・パウロ二世の
訴えは真実を衝く
画期的な偉業を敬う


2003/11/30

失業率が
最悪だ
迫る年の瀬に
晴れ着も質屋で
泣いている


2003/10/31

政治の現実は暗い
変える政党を選びたい
世界に通ずる
明解な
素材に乏しい


2003/11/05
連呼が響く
世界を照らす
論戦が
届けられないのは
空しい


2003/11/05
日本を
世界の
どこに置くのか
大切な選択の基準が
不透明だ


2003/11/07
短い言行の
寸劇首相に
ゆだねておいて
よいのか
本当に危ない

2003/10/31

人任せの総理が
支持される
不思議だ
列島は 
沈んでいく


2003/10/31

中庸と
言えば
聞こえがよいが
いつも
靄の中


2003/10/31

国会の
権謀術策に疲れた
無頼の徒が
正義を忘れ
時代劇を演じる


2003/10/31

モラルが
遺物となる
恥の上塗り
誇りも
失せている


2003/10/31

「壊す」に
眩惑される
間違っていないか
改革は
継続の中にある


2003/10/31

胃が痛む
キリリと痛む
国会に
悪の
巣籠りを許さない


2003/10/31

空気や
水のように
憲法が体内にある
朽ちた
看板ではない


2003/10/31

稚拙な
外交に
条理が滅ぶ
初動に
誤りがある


2003/10/31

門の内は
自由と生命
外は
迫害と死
人道を捨てた小泉外交


2003/10/31

異民族を
蔑視する
島国の
歪みが
心に巣食う


2003/10/31

人道人権が
最初にあってこそ
政治だ
世論におされてからでは
遅すぎる


2003/10/31

凶悪な事件が
続発している
漂泊する
政治の
属性だ


2003/10/31

政治で
生きるのではなく
そのために働く
迫力のある生き様こそ
歴史を飾るのだ


2003/10/31

他国に
追随する
妄語癖の
総理がいる
それこそ有事だ


2003/10/31

個人情報保護に
言論を押さえられ
徴兵の名で
青春を奪われた
日を憶う


2003/10/31

新官邸は
ベールの中に
知られぬ事が
改革への
一里塚


2003/10/31

政策の
論議を
はぐらかし
声高な身振りだけ
児戯の類


2003/10/31

声だけが
弾んでいる
論点を
はずした
身の錆


2003/10/31

党首討論に
吠え面や猫撫声が
緩急自在に
自己を保身する
悲劇は人々がかぶる


2003/10/31

日本が
国として豊かなのは
日本人が
貧しいのを貧しいと
思わないからでもある


2003/10/31

混濁の
世に
進路を失う
羅針盤を欠いた
漂泊船のように


2003/10/31

新官邸が
闇に沈む
公約は
知らせないこと
遠くにおいておく


2003/10/31

二進も三進もいかない
乏しい中味を
覆い隠すように
総理はただ
声高に威圧している


2003/10/31

光を透かした
紅葉は
一層美しい
汚れが光に
晒されるのだろうか


2003/10/31

演出で
隠されているものを
洞察する
知力の確かさに
主権の価値が問われる


2003/10/31
日本が
アメリカの友と
言うのならば
もっと力強い
識見を示すことだ


2003/10/31

グローバルの名で
価値の統一を
計るは愚か
一極は不安定と
崩壊を生む


2003/10/31

優れた
医療と福祉が
世界の指標だ
自(おの)ずから
平和の使徒になる


2003/10/30



貧困対策の
援助は
安全保障だ
削減は
思考欠除だ


2003/10/30




夢と理想の力を
もう一度信じよう
人は平等だ
等身大の理想と
使命感を温める


2003/10/30




パフォーマンスに
世論が
動く
危なくないか
歴史が嘆いている


2003/10/30




理念も哲学も
顧みない
世の退廃を愁う
せめて幻想を膨らませ
希望の光を走らせる


2003/10/30




自分の意思で
決断する勇気
リスクも背負い
選択する知力
自立は行動だ


2003/10/30




基本的人権が
与党間のメンツや
野党へのテクニックに
使われている
国民主権は何処(いずこ)に


2003/10/30




闇は深い
やりきれぬ思いと
怒りが募る
ひそかには葬らせない
真の光をあてる


2003/10/30




政治が
見世物小屋に
かかっている
言葉や理念が
真を失っている


2003/10/30



『歴史の変化は
しばしばひとりの
人間の心の中で
そっと始まる』
先達の言は重い


2003/10/30




いっときの名声に
酔うは哀れ
真の名声は
永遠に
歴史に生きる


2003/10/30




『自民党を壊す』
『挙党体制で』
謎々の連発だ
見えすいた
首相の詭弁術


2003/10/30




偉大な奉仕者を
死に追いやった
原因は
米大統領の愚かな
所業にはじまる



2003/09/01
『戦争が平和だ』との
主張を
真髄まで掘り下げる
核を過信する者の
思考の愚かさ



2003/09/02
どの国の
童謡も
和みがある
荒廃と怨みをこえ
平和のため歌い広める



2003/09/02
平成に
平静な心が
帰らず
混濁の流れが
やまない


2003/09/02
真実の
主張が
虚辞に
葬られ
悲劇が演じられる



2003/08/13
戦争は
嘘の果実だ
いつも
真実が
犠牲になる




2003/08/22
身勝手な
超大国の単一行動が
平和と共生の要の
国連までも
危機に立たせる



2003/09/01
戦争は
嘘の果実だ
いつも
真実が
犠牲になる



2003/09/01
どんな事があっても
諦めない
逆流を阻み
棹さし進む
道筋が見えてくる



2003/07/23
データーをゆがめ
主権者を袖にした
ホワイトハウスは
陰謀の巣か
中世の暗黒のよう



2003/08/10
ワシントンの
体制変革を求める声が
聞こえ出す
漸く押さえられていた
正義が怒りとなる



2003/08/11
世界遺産の宝庫が
貧困のため閉ざされている
超大国が軍事から文化に
眼を転じれば
平和が開かれるのに



2003/08/12
世論に
支えられたものが
世論に
逆ろう
行先が見えない



2003/07/17
イラクの女と子供の
悲惨な今を
米テレビは映さない
正義を口にするものが
最も不正義を知っている



2003/07/18
武力行使を念頭に
戦争を仕掛けた
日英首脳の
イラク戦争正当論は
戯論の上塗りだ



2003/07/20
社民党よ解党して
初志の旗の下に
再結集すればよい
国家の危機が
忍び寄っている



2003/07/21
EU圏が広がる
通貨統合を基に
政治統合へと
蟠りを越え
世紀を創る進取がある



2003/07/13
半生を悔い
蘇生した人生に
不正義な争いが
新たな悔いを
芽生えさす



2003/07/15
苦渋の
選択かと
訝(いぶか)れば
元々決めていたと
たかぶる首相



2003/07/16
公約を
破っても
世論を
蔑視しても
米国に阿(おもね)る



2003/07/16
『利己と利己との
 議論は戯論』と
先達が言う
戯論を離れ
平和を支える



2003/07/08
戦後の
荒廃の地に
飢えに耐え生きる子
君たちは宝だ
平和の鍵だ



2003/07/10
テロが
広がっている
不正義な
戦争の
落し子だ



2003/07/11
不正義な
戦争が
不正義な
テロを
生んでいる



2003/07/12
平和の灯が
点々としている
燎原の火となるか
新保守の野望に
挫かれるのか


2003/07/05
理性を窒息させ
道義も尊厳も捨て
説得する忍耐を失った
哀れな超、老大国が
ともに責められている



2003/07/06
「赤トンボ」が
静かに輪を広げた時
流血が休(や)んだ
優しい旋律は
和合の心だった



2003/07/07
青春を
誤った時勢に逆らう
知恵もなくおくった
派兵の罪を
重ねない



2003/07/08
戦闘終結宣言でも
流血と悲劇が
いまも無心の
子たちを襲う
わかりきっていたこと


2003/05/12
知る権利は
生きる権利だ
言論の自由は
市民の自由だ
基本的人権を思う

2003/05/13
虚心に
思いの道を辿る
一人は小さな存在でも
宇宙に渾然一体
平和の道標となる


2003/05/17

戦勝に酔う者よ
何に勝ったと
言うのだ
害われた
人命は蘇(かえ)らない

2003/07/04
釈然としない
日が続く
力の横行に
理性が
沈黙を強いられている


2003/05/08
胸中の
激しい怒りと
悲しみを
歴史の鏡に照らし
深く沈む


2003/05/09
十二億人もが
一日一ドル以下の
生活だ
人間の安全保障が
強く求められている


2003/05/10

「イラク戦争に
 理はない」 と
自分に問える
根が残った
ネットの偉大な力



2003/05/11

社会的弱者の残酷な
被害が放映されない
軍事や言論に
民主主義の
深度を疑う
       
米大統領戦闘終結宣言
二十一世紀もまた
紛争と殺戮の繰返しで
人類の持ち時間を
費消している
        
日本国憲法は
空気のよう
平和の生の支柱だ
腐蝕した
看板ではない
戦禍の廃墟に
悄然とした根が
新芽をつける
悲憤という
色もある
   
知は
冷静なもの
知は
勇気を醸す
平和の核だ
地球に
昼夜が同居している
人類も
同じだ
共同の環(わ)を手繰る
        
対立は
抱擁で
解くもの
排他は
いつか敗れる
    
メディアが株価維持に
愛国心を煽り
女子供の悲劇を隠す
権力と資本の非情に
真実が冷える
『父のかたき』
討ちに
暗い雰囲気づくり
無辜の子らの
いのちが軽い
1648年の
ウエストファリア条約が
無視される
なんでも力で変える
「ならず者国家」とは
チグリスよ
ユーフラテスよ
メディアをこえ
君たちが知っている
真実(まこと)を伝えよ
ミサイル破裂音の
ニューズで明ける
朝が
実に憂鬱だ
思いが干々に乱れる
よう懲の名で
大義のない
火花が散る
民衆の血潮が
飛沫(しぶき)となる
レ・カオ・ダイ博士逝く
米軍の犯罪
ダイオキシン・枯葉剤の
痛みを追い続けた医師
有事法に焦燥感が深い
  
           
安心立命の
宗教が
争いを生む憐れ
生の尊厳を
問い直すことだ
一滴の
水に泣く
母子(おやこ)を抱(いだ)けぬ
国家とは
勧善懲悪の
思想が
平和を
乱している
俗世のひずみ
危機が
あおり
作られている
冷静に見る
心が眠らされている
巨大な
宣伝機構に
麻痺させられる
独裁も石油資本も
隣り合わせに在る
脅威には
先制でと言う。
世界の秩序は
大きな節目だ
国益とは何
緊迫と
混乱の
地と時に
人は動く
栄枯盛衰の跡
権力の
善悪をこえて
何にも増して
尊い
人の命が問われる
権力闘争は
どこでも
いつでも
真の主権者を
蔑ろにする
原理が
原理に
敵対し
思いが
しずむ
誤爆という
一言で
新婚の夢が破られる
生命を軽く見る
独善者の罪は重い
誤爆の
一言で
済まされるほど
生命は軽くない
新婚の夢も破られる
国家の利益とは

人間の利益こそ

求められる最高のもの
国際社会は
弱肉強食を
許さない
法を大切にする
空間なのだ
国連に
査察か攻撃か
言の葉が飛び交う
「人間の安全保障」を
こそ構築せよ
今日も
春愁に
しずむ
大切な
人の死
最強の国が
いつしか
覇権を失い消えている
多様化こそ
歴史の道なのだ
残酷に
奪れる
無辜の
子らの
いくさ
脂ぎった
脂商人の
代理人が
我が通らぬと
脅しつづける
社会の闇に埋もれた
不条理や人権侵害を
生活の場で
掘り起こす
理屈抜きに憤る
銃撃や破壊を
血や死体を
日々見る
心が荒み
笑いが消えている
勝ち負けではない
力で
人権を
損なうことが
不条理なのだ
新たな
出発だ
新しい
価値の
胎動だ
新聞が
修羅の
花嵐に
すさぶ
暗い朝
真実の
報道を
標的に
攻める
愚劣さ
世界に
貧困が拡がっている
15億人もが
一杯のきれいな水を
手に出来ない
世界のアチコチで
三大宗教の始祖の
二千年間の夢が消え
求心力を失い
戦争の危機が芽生えている
世論は
愚かか
隠蔽は
知か
誘導を暴く
正義が
あると
誰れも
思わぬ
いくさ
正義とは
独り善がりの
ものでない
独り善がりは
先制攻撃の道に
戦争
飢餓
無知
などなど
どれも平和をけがす
戦争は
人間の
愚さの
現れだ
黒い空
地球儀が
悲しそうに
話しかけてくる
飢餓の痛みが
深刻だ
中東紛争は
「死者の復讐」に怯える
水の争奪だ
世界各地で一触即発だ
水の世紀が病んでいる
帝国の
野望を
現わす
無恥な
殺戮だ
帝国の末路を
史的に探る
いま
新しい帝国の昂ぶりを
止めるにはーーー
同じ重さで
つくられた命が
危機の淵にある
新しい憎しみの根を
残したくない
悲劇の
はじまりは
油の
争奪に
因(もと)がある
悲劇は
いつも
民衆の
頭上に
重なる
悲劇を
覆い
真実を
隠す
正義とは
貧困に
生命(いのち)を
左右される乳幼児に
大国の
非情が重なる
       
貧富の
格差は
不条理
妥協だ
交渉だ
文明発祥の地の子よ
必至に生きるのだ
生きていれば
チャンスがある
宇宙に生きるのだ
謀略で
正義を装う
野望と
欲望が
交錯する
謀略で
正義を装う
所詮
野望は
醜い
    
謀略に
惑わされない
賢明さが
正確な
歴史をきざむ
謀略を
策略と
言ってみても
野望と欲望の
交錯に過ぎない
万物共生の
世に
愚かにも
人命強奪の
争いが仕組まれる
未成熟を
省みず
唯一絶対と
思い込む
民主主義が危い
民主的に決めると言う
大統領に
人間の顔が見えない
真の世界最強ならば
軍事力を使わぬもの
滅んでいく
世紀なのだろうか
歴史は繰り返すのか
大転換するのか
あさはかな指導者達よ
黙殺の
理性が
ひそみ
世紀が
ひずむ
理由もなく
両手を
奪われた子
復興支援の名で
済まされるのか
メディアの植え付ける
迷妄と
偏見を
篩落し
平和の道を開く