『平和を願う五行歌』 叶 静游 166首 『平和を願う五行歌』TOPに戻る
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社会的弱者の残酷な
被害が放映されない 軍事や言論に 民主主義の 深度を疑う |
米大統領戦闘終結宣言
二十一世紀もまた 紛争と殺戮の繰返しで 人類の持ち時間を 費消している |
日本国憲法は
空気のよう 平和の生の支柱だ 腐蝕した 看板ではない |
戦禍の廃墟に
悄然とした根が 新芽をつける 悲憤という 色もある |
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知は
冷静なもの 知は 勇気を醸す 平和の核だ |
地球に
昼夜が同居している 人類も 同じだ 共同の環(わ)を手繰る |
対立は
抱擁で 解くもの 排他は いつか敗れる |
メディアが株価維持に
愛国心を煽り 女子供の悲劇を隠す 権力と資本の非情に 真実が冷える |
『父のかたき』
討ちに 暗い雰囲気づくり 無辜の子らの いのちが軽い |
1648年の
ウエストファリア条約が 無視される なんでも力で変える 「ならず者国家」とは |
チグリスよ
ユーフラテスよ メディアをこえ 君たちが知っている 真実(まこと)を伝えよ |
ミサイル破裂音の
ニューズで明ける 朝が 実に憂鬱だ 思いが干々に乱れる |
よう懲の名で
大義のない 火花が散る 民衆の血潮が 飛沫(しぶき)となる |
レ・カオ・ダイ博士逝く
米軍の犯罪 ダイオキシン・枯葉剤の 痛みを追い続けた医師 有事法に焦燥感が深い |
安心立命の
宗教が 争いを生む憐れ 生の尊厳を 問い直すことだ |
一滴の
水に泣く 母子(おやこ)を抱(いだ)けぬ 国家とは 何 |
勧善懲悪の
思想が 平和を 乱している 俗世のひずみ |
危機が
あおり 作られている 冷静に見る 心が眠らされている |
巨大な
宣伝機構に 麻痺させられる 独裁も石油資本も 隣り合わせに在る |
脅威には
先制でと言う。 世界の秩序は 大きな節目だ 国益とは何 |
緊迫と
混乱の 地と時に 人は動く 栄枯盛衰の跡 |
権力の
善悪をこえて 何にも増して 尊い 人の命が問われる |
権力闘争は
どこでも いつでも 真の主権者を 蔑ろにする |
原理が
原理に 敵対し 思いが しずむ |
誤爆という
一言で 新婚の夢が破られる 生命を軽く見る 独善者の罪は重い |
誤爆の
一言で 済まされるほど 生命は軽くない 新婚の夢も破られる |
国家の利益とは
何 人間の利益こそ が 求められる最高のもの |
国際社会は
弱肉強食を 許さない 法を大切にする 空間なのだ |
国連に
査察か攻撃か 言の葉が飛び交う 「人間の安全保障」を こそ構築せよ |
今日も
春愁に しずむ 大切な 人の死 |
最強の国が
いつしか 覇権を失い消えている 多様化こそ 歴史の道なのだ |
残酷に
奪れる 無辜の 子らの いくさ |
脂ぎった
脂商人の 代理人が 我が通らぬと 脅しつづける |
社会の闇に埋もれた
不条理や人権侵害を 生活の場で 掘り起こす 理屈抜きに憤る |
銃撃や破壊を
血や死体を 日々見る 心が荒み 笑いが消えている |
勝ち負けではない
力で 人権を 損なうことが 不条理なのだ |
新たな
出発だ 新しい 価値の 胎動だ |
新聞が
修羅の 花嵐に すさぶ 暗い朝 |
真実の
報道を 標的に 攻める 愚劣さ |
世界に
貧困が拡がっている 15億人もが 一杯のきれいな水を 手に出来ない |
世界のアチコチで
三大宗教の始祖の 二千年間の夢が消え 求心力を失い 戦争の危機が芽生えている |
世論は
愚かか 隠蔽は 知か 誘導を暴く |
正義が
あると 誰れも 思わぬ いくさ |
正義とは
独り善がりの ものでない 独り善がりは 先制攻撃の道に |
戦争
飢餓 無知 などなど どれも平和をけがす |
戦争は
人間の 愚さの 現れだ 黒い空 |
地球儀が
悲しそうに 話しかけてくる 飢餓の痛みが 深刻だ |
中東紛争は
「死者の復讐」に怯える 水の争奪だ 世界各地で一触即発だ 水の世紀が病んでいる |
帝国の
野望を 現わす 無恥な 殺戮だ |
帝国の末路を
史的に探る いま 新しい帝国の昂ぶりを 止めるにはーーー |
同じ重さで
つくられた命が 危機の淵にある 新しい憎しみの根を 残したくない |
悲劇の
はじまりは 油の 争奪に 因(もと)がある |
悲劇は
いつも 民衆の 頭上に 重なる |
悲劇を
覆い 真実を 隠す 正義とは |
貧困に
生命(いのち)を 左右される乳幼児に 大国の 非情が重なる |
貧富の
格差は 不条理 妥協だ 交渉だ |
文明発祥の地の子よ
必至に生きるのだ 生きていれば チャンスがある 宇宙に生きるのだ |
謀略で
正義を装う 野望と 欲望が 交錯する |
謀略で
正義を装う 所詮 野望は 醜い |
謀略に
惑わされない 賢明さが 正確な 歴史をきざむ |
謀略を
策略と 言ってみても 野望と欲望の 交錯に過ぎない |
万物共生の
世に 愚かにも 人命強奪の 争いが仕組まれる |
未成熟を
省みず 唯一絶対と 思い込む 民主主義が危い |
民主的に決めると言う
大統領に 人間の顔が見えない 真の世界最強ならば 軍事力を使わぬもの |
滅んでいく
世紀なのだろうか 歴史は繰り返すのか 大転換するのか あさはかな指導者達よ |
黙殺の
理性が ひそみ 世紀が ひずむ |
理由もなく
両手を 奪われた子 復興支援の名で 済まされるのか |
メディアの植え付ける
迷妄と 偏見を 篩落し 平和の道を開く |
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