『平和を願う五行歌』 おぎのいずみ 10首      『平和を願う五行歌』TOPに戻る
六万年まえの
イラク北部の洞窟に
ムスカリの花粉が
ひっそりと
死者に寄りそっておりました
スイッチを押すように
アメリカ大統領の
イラクへの開戦宣言
人がまた、殺りくの歴史を
繰り返す瞬間です
大きな国のエゴが
多勢の人を
狂わせて
戦いに
かりたてました
民主化という名の
戦争のもとで
ミサイルがさく裂します
罪のない人たちの死が
積みあげられていきます
砂嵐が渦を巻きます
人びとの悲鳴と悲しみを
巻きこんで
日本に飛来したイラクの砂は
戦いの匂いがします
風といっしょに
飛んでいけたら----
イラクの子どもは
爆音の下で
身動き出来ません
空爆の画像の次は
お笑い番組
戦争は
テレビの画面に
収まるものじゃないのです
STOP THE WAR
少女がさけびます
少年がさけびます
子どもたちの未来が
いっぱい詰まっている地球です
ノー モア ヒロシマと
誓ったはずなのに
なぜ、私たちの国は
NO MORE WARと
いえないのでしょう
爆撃で、ムスカリの花粉は
世界中に吹っ飛びました
粉々になって
戦争の愚かさを
伝えにいくのです