『平和を願う五行歌』 青香  51首      『平和を願う五行歌』TOPに戻る
テロの
犠牲者数は
あれだけなのか
本当に把握した
報道なのだろうか

2004/03/04
他国を
装甲車で
闊歩する
占領の
支援

2004/03/04
柱に掛かっていた
翁の面
戦渦を潜り抜けた
父の生への
憧れだったのか

2004/03/25
 
もし
私の職場に
先遣隊が来て
一日半視察したとして
何が分かるの?

2004/01/26
引き金に指を当て
生死を賭けた
とっさの判断
敵も味方も
命は一つ

2004/02/05

戦争は
何も
生み出しはしない
人が
人で無くなるのだ

2004/02/10
犠牲者は
恐怖に慄き
生きる
国民の数だけ
死者の数だけではない

2004/03/04

切り取られた
ワンシーンの中に
24時間
銃に怯える
一般市民がいるのだ

2004/01/11
人は
人で傷つき
人で癒されると
聞いた
命ある限り

2003/12/30
もっと堂々と
してたらいい
社会が
武器持たぬこと
誇ればいい

2004/01/03

クリスマスホーリーを
千両にかえた
赤い実は
平和の雫と
思いたい

2004/01/08

忘れては
いけないことを
解決しないまま
先に進んで行くような
怖さを感じる年だった

2003/12/30
人道支援を
デザインした服
支援の姿勢
一目で判れば
銃口の的にはならない

2003/12/26
私を思ってくださる
あなたがいて
あなたを思う私がいる
心のシーソーが
平和を生む

2003/12/26
仕事なら行くというが
入隊したとき
婚約したとき
九条はちゃんと
張り付いてた筈

2003/12/27
若者が
銃を構え
狙いを定める訓練をする
人と認識できる的は
人の命だ

2003/12/25
新しい命には
先ず
人を
信じることを
教えたい

2003/12/23
一番早い事態終結は
国政の
最高責任者が
武器を持たずに
戦地に赴くことかもしれない

2003/12/23
ほんのひと時でいい
一斉に
世界中の民が
平和を思い浮かべるのだ
地球という丸い土俵で

2003/12/24
信じる心
無くしたくないけど
友好、交流
虚ろに響く
疑心暗鬼の街

2003/12/23
通勤電車の
人の林
だんまり
ゆすられ
何かを落としているようだ

2003/12/10
戦いのための
服を着て
そこに
立っているだけで
威嚇だ

2003/12/15
国の評価が高まると
両手を上げて
喜んでる人々がいる
手土産の質
換えられるのか

2003/12/22
安物の
笑顔と
騒音
街にばら撒き
活動はおしまい?


2003/11/08
赤い唇と目元の皺
命あるものの日常に
銃を構えたら
鬼だ
恐怖の遠隔操作


2003/12/10
やっと育て上げた
働き手を
涙、飲み込み
旗振り、見送る
黒い悲しみ


2003/12/10
たくさんの
命と引き換えに
手にしたはず
平和を
ぬるま湯が溶かしてる


2003/12/10
昔、学校では
「改悪」なんて
教わらなかった
「改善」
最近、聴かない

2003/10/09
見上げる摩天楼
上層部を
朝靄が隠す
すべてが見えない
この国のよう

2003/10/13
健康食品という
雑穀米を炊く
半世紀前の寒村では
口減らしのために
若者が戦場へ志願した

2003/10/18
法を
盾に
翳す者へ
「人、先にありき」
ではないか

2003/10/31
木刀も
BB弾も
買ってもらえなかった弟
母がこっそり
父の気持ちを教えてた

2003/10/03
お母さん
あの子は悪い子じゃないよ
したことが悪いことなんだよ
きっと若い保母さんの教え
子を通して学ぶ

2003/10/04

自分が所属している
職場と家庭と
わずかなお楽しみの世界
少し席を詰めて
社会の事考えよう

2003/10/05
久しぶりに聴く
ジョーン・バエズ
あの頃歌っていた人たちは
どんな思いで聴くのだろう
もう歌えないの?

2003/10/07
むごいという言葉は
知っていた
ようやくこの頃
その意味の
残酷さに気づいた

2003/10/01

どれ程の気持ちを込めて
造られたのか
忘れられた
平和塔公園
ヘイワトウコウエンでしかなく

2003/10/02

平和の象徴
黄色の薔薇
すべての願いは一つなのに
黄薔薇の栽培は難しい
平和を求めて戦が続く

2003/10/02

ヘブンリーブルーが
一斉に
空を仰ぎ
斉唱している
雨上がりの朝

2003/10/03
主の夢を焼いていたパン屋
エスポワールという
店の名は
『希望』という意味だった
閉店の日に知る


2003/09/24
特攻帰りなどど
その意味も知らず
口にしていたひよこたち
諌めることもなく
黙々と教鞭を執る


2003/09/26
政治家のみなさん
私のお気に入りの
マニュフェストは
もっと気高さ、聡明さを
漂わせていますよ


2003/09/27
父の脛には
肉が無い
壊死した細胞は
どんな滋養も
受けつけたりしない

2003/09/27
これだけは
読めなかったと
悔しがる父
だから真っ先の覚えた
莫大小



2003/09/17
ブルーのワインボトルを
野バラの実
秋萩とともに
土産代わりに持ち帰る友
今日の日が続くことを祈る



2003/09/19
母から聞いた話だが
戦地から戻らぬ人を
ずっと待ってた兄嫁は
そうすることが一番と
実家に返された

2003/09/23
人々とか一般人と
一緒くたにいうけれど
顔かたち考え方
みんな違う
ひとつの命


2003/09/23
ベンチに腰掛け
杖に両手を乗せ
遠くに目をやる父の心は
どの時代を回想しているのか
未だ聞けずにいる



2003/09/13
命をぼろぼろに汚し
たどり着いた家に人影はない
誰にも語らない
父の悲しみがなかったなら
この世に私は存在しない



2003/09/13
30年も昔の話を
  昨日のことのように話す私
  あの頃聞く
  10年前の話は
  他人ごとでしかなかった



2003/09/15
手向けられた
ピースのバラ
子をなくされた
父、母様のもとへ
平和の香気を届けて



2003/09/15