2003年6月に「公園通り」、その他に
                                 投稿された「サラリーマン五行歌」 
 
計26首



二十年も前から
「脱サラするぞ」
が口癖だった
アイツもやはり
いまだにサラリーマン


小久保 達
2003/06/05

「会社ベクトル」から
「自分ベクトル」へ
といきなり言われても
方向すら決められない
そんな私を笑う


小久保 達
2003/06/05

何万回も
通っている道なのに
何も記憶に残らない
通勤のためだけの
空疎な移動


小久保 達
2003/06/04

残されている寿命が
同じではないのに
一律に「定年」を
決められているのは
やっぱり変だ


小久保 達
2003/06/04
人間の寿命は
同じではないのに
一律に「定年」が
決められている
どこか変だと思うけど


小久保 達
2003/06/07
「起業家精神を発揮せよ」
 と訓示する社長
でも
そういうあんたも
サラリーマン


小久保 達
2003/06/06

社長が出れば
以下ズラリ
仕事がらみの
パーティーの
顔ぶれ


百楽天
2003/06/06
一年で交替した
現場トップの言動に
中間職は
また始めからからだと
右往左往


嵐太
2003/06/06
スローガン
社是
経営計画
なんでもかんでも
ローマ字3文字


植竹ジュリー
2003/06/10

上を見て吐息
下を見て溜息
横を見れば
焦りと安堵
そんな毎日



小久保 達
2003/06/10
年間125日は
休みすぎだと
社長は云う
それがあるから
働けるんだ


植竹ジュリー
2003/06/07
「士気を落とさない為に
社長の抜擢人事は
一度だけ」では
大胆な改革・躍進は
望めない


嵐太
2003/06/07
「しがない」という
形容詞は
サラリーマンの為に
創ったのか
わざと


植竹ジュリー
2003/06/15
始発駅に
転居した
判断を
自慢したい
朝の通勤


小久保 達
2003/06/12

社是社訓を
五行歌で
作っている
経営者の
遊び心



小久保 達
2003/06/10

電車の中で
キャミソールの
若い娘が
読んでいる
日本経済新聞



小久保 達
2003/06/10
考えるより
先に
手が動いている
社歴十五年の


梨沙
2003/06/18
いってらっしゃい
おかえりなさい
一日に
何回言うのだろう
OL稼業


梨沙
2003/06/16
誰かに踏まれた
殻を背負って
ゆっくりと歩む
蝸牛は
紫陽花をさがして


風葉
2003/06/15
ベルトコンベアに
乗っても
安心できない
ジェットコースター型もある
現代だから


嵐太
2003/06/15
人間みんな
五十歩百歩
そこから
一歩を
踏み出す


植竹ジュリー
2003/06/27
成功する仕事とは
好きなこと
得意なこと
求められていること
意義のあること


小久保 達
2003/06.27
髪を束ねて
仕事に打ち込む
髪をほどいて
恋する女に
戻る


梨沙
2003/06/23
とうとう
スポーツ紙に
なったか
A紙一面トップに
ベッカム移籍談


のびた
2003/06/24
   
気難しくて
とっつきの悪いのが
いてもいい
物分りのよい
男ばかりの中に


のびた
2003.06/29
雑な人間に
なるまいとして
小さく
まとまっている
自分


植竹ジュリー
2003/06